交渉

療育センターのクラス。昨日は、母子分離の時間になると、5人いたうちの4人までが大泣き。ちびさんも。壮観だった。(隣の部屋から観察していた)

泣くのはそのうち落ち着いたけど、リズムの時間になると、ちびさん、いつものように、走って壁ぎわに行った。そのまま動かない。
どうやって、この子を参加させるきっかけを作るかを考えた職員さんたち、子どもの写真の表を貼り出して、リズムを上手にできると、その子の写真のところに、大きなお花のシールを飾ることにしたという。ちびさん、ときどき壁から離れて、シールの表を見に行っている。

飴も鞭もなかなか通用しない子なんだが、誘われても誘われても、みんなの輪に入ろうとしない。お花のシールが抜群に効果あったのは、コウキ君で、彼は前回、うちのちびにつられて、壁ぎわ組だったのが、昨日はリズムの輪のなかにいた。

みんな4つも5つもお花をもらっているなかで、ちびさんだけない。
リズムについに参加せず、壁ぎわで最後は寝ころんでいた。音楽にあわせて、足の先だけ動いている。

で、最後の最後、ちびさんのところに、お花がひとつついた。先生が憐れんでつけてくれたのかしらと思ったら、あとで聞いたら、ちびさんが先生に言ったのらしい。
「ひとつでいいから、りくちゃんもお花ほしいの」
ああそう、交渉して手に入れたものでしたか。

足の先がちょっと動いていたから、最後のはできたことにしてくれたらしい。
「ママ、リズムはしなかったの」と自己申告はたいへん正直。

「したいことだけするのは、ぼうやなんだよ。おにいさんは、したくなくてもするということも、必要なんだよ」と言うと、「わかった」とは言う。
「ママだって、ごはんつくりたくなくても、つくってるでしょ」と言ってしまって、これは失言だ、と思った。つくりたくないならつくらないでよ、私食べないから、と14歳ぐらいのときの自分の声が聞こえる気がしたわ。

午後から雪。空から粉砂糖を降りかけているみたいにきれいだったけど、やたら寒い。夜にはつもった。