七年

昼間下がっていた熱が、夜になってまたあがる。ちびさん、遊びまわる気力も尽きたらしく、さすがにおとなしく寝たが、一緒に寝ていると、あんかを抱いているみたいに熱い。薬をのませるのにてこずるし、こちらも咳がとまらないし、くたびれた。
それにしても、子どもの咳きこむ声をきくのは、つらいなあ。子どものころ、私は小児喘息で、夜になると咳こんで眠れないほどだったけど、母さんはしんどかったろうなあ。
と思ったりした。

5月3日だ、そういえば。
結婚記念日です。

市役所の裏口から婚姻届を出しに行ったのが、七年前。守衛さんに渡すだけという簡単さだった。結婚式も新婚旅行も指輪もなんにもなし。住む家も決まってなくて、そのころ私まだ東京にいたから、連休のあとは東京に戻ったんだ、たしか。
結婚式のような面倒くさいものに、耐えられないし、いまでこそ、子どもがいるから旅行は必然的に家族旅行になるけど、基本的に旅はひとりでするものと思うので、新婚旅行はいらないし、指輪も、フィリピンのレティ先生がくれた指輪をしているからもういらないし、役所の窓口に並ぶよりは、祭日の裏口が簡単。

で、これくらいシンプルにしないと、結婚、なんていう、おそろしいことは、できなかったと思います。

で、七年たった。
嘘みたい。
まだ一年くらいしか経ってない気がするけど、
なんというか、人生の春休みみたいな七年間だった。
春休み。

それでその春休みの間に、子どもが生まれて4歳半になって、
私は歌集も出したりしたわけだ。

嘘みたい。

お祝いどうしよう。お金ないし、風邪だし、出かけられないし、私、あんまり食べたくないし(つくりたくないし)、ホットケーキと苺でいいかな。いいにしよう。
春休み、まだ続くし。