こきつかう?

「ようちえん、たのしかったの」というわりには、楽しそうでないので、何が楽しかったの、と具体的に訊いていくと、「6がつからはようちえん、いかないの」と言い出した。なぜ、ときくと「みんなが、こきつかうの」という。

こきつかう?

さらにきくと、わかった。みんなが、「ごはんだから、こっちにきて」とか、「つぎはあっちのおへやだよ」とか、声をかけてくれているのだ。それは、こきつかうとはいいません。みんなが心配してくれてんの。こきつかってるんじゃなくて、きみを助けてくれてるの。
あーもう、この認識のずれをどうしよう。

いちばん、人をこきつかっているのは、きみなの。トイレの度におかあさんを呼ばないでほしいの。顔を洗ったり鼻かんだり着替えたりも、ひとりでできるようになってほしいの。ジュース出して、とか、お菓子の袋あけて、とか、うるさいくせに、ごはんのときは呼んでも呼んでもこないし、すぐに箸を投げだして食べさせてもらわないと食べないし、きみがママをこきつかってるの。
それで幼稚園では、いろんな活動も、帰りの支度も、ひとりでできなくて、みんなに助けてもらってるんでしょう。きみが、先生やみんなを、こきつかってるんだよ。わかった?

少し疲れが出るころかもしれないなあ、とは思う。とってもしんどくなったら、保健室に行ってもいいよ、とは言っておく。

で、なぜ「6がつから」なのか。5月のカレンダーはあれこれもう予定を書きこんであるので、すでに自分の自由にはならないと感じているらしい。でもまだめくられていない6月からは、自由にできるかも、という期待なのでしょう。
残念だが、きみは6月からも、幼稚園に行かなければいけないよ。