カーテンをあけるひよりちゃん

ちびさんが、かいた絵を見せにきた。「カーテンをあけるひよりちゃん」の絵だって。ひよりちゃんというのは、クラスにいる女の子。
たまげた。車と電車とケロロさんたちの絵ばっかかいてた子が。母の日のおかあさんの絵だって、ケロロにしてしまう子が。
クラスのお友だちの絵をかいた。

それで私が、切りとって連絡張にはろうとしていたら、せんせいじゃないの、ひよりちゃんにおてがみにするの、というわけで、またお手紙かいた。とげとげハートまでついている!
今日もっていくはず、

だったんだけど、夜になって、また熱。
どうしたんだろなあ。咳もはなみずもおさまったし、もうなおったと思っていたんだけどなあ。

で、夜中、夢にうなされた子が悲鳴というか、すごい奇声をあげる。ゆさぶっても目をさまさずに、体をひきつけて奇声をあげつづけるのが、けっこうこわい。
ようやく大泣きしながら、目をあけた子が落ち着くのを待って、なんの夢見たの、ときいたら、動物園の夢、と言った。
動物園で、ママはバスで行っちゃって、ぼくはママにおいて行かれたの。

そりゃこわかったろう。私が今でもおぼえているのは、ちょうど今のちびさんぐらいのときに見た夢で、母さんと夜の町を歩いていたら、いろんなお化けがやってきて、母さんがお化けと一緒にはしごをのぼってっちゃった夢だった。こわくてこわくて大泣きして、母に起こされたんだった。

でもさでもさ、ちびさん、動物園の遠足でさ、ママを置いてっちゃったのは、きみだよ。たたたっと走って、ふりかえってにやっと笑って、たたたっとまた走ってっちゃって、ママを置いていなくなっちゃったのはきみだよ。
きっと夢のなかで、仕返しされたんだと思うな。

それでまた今日は幼稚園お休み。