王国

幼稚園から帰ると、さっそく町づくりにとりかかるちびさん。うまくできると、私を呼んで写真を撮れという。30分後には、レゴのビルやら、駐車場やら、またひとしきり並んで、再び写真を撮れ、というが、もう電池がない。ちびさん、台所から椅子をもってきて、その上に立って、自分がつくりあげた町を、満足そうに眺めている。王国を見渡す王様みたいに。

それから1時間後、町はゴジラに壊された。王様は泣いていた。すぐ泣くんだ。だけど洗濯物畳む場所がないしさ。 布団も敷かなきゃなんないしさ。

↓「王国」谷山浩子