朝、霧のなかに

朝、霧のなかに出ていく。ここは、わりと標高が高いので、もしかしたら私たち雲のなか。向かいの森の紅葉がすばらしくて、泣きそうになる。ちびさん、手で口をおさえて歩く。だからっ。防災訓練の煙じゃないんだってば。
「どうして、たいようはのぼるの。どうして、たいようはしずむの。ちきゅうがまわっているからだよ。にほんがよるになって、それからヨーロッパがよるになって、それからアメリカがよるになる」
問いと答えをひとりで言う。
「こんどは、ちょっととおい土星までいってみようか、ママと」
ちょっと、じゃないと思うよ。
元気に歩いてくれるが、幼稚園バスがくると、凍る。荷物のようになる。荷物を私と先生で、座席まで運ぶ。バスに手をふるとほかの子たちは手をふってくれるが、ちびさん、今まで一度も手をふってくれたことがない。こちらを見もしないで窓ガラスに落書きしていた。
今日は午前中保育なので、なんともうそろそろ戻ってくるではないか。

「全部はできませんよ。それぞれの立場でできることをすればいいんです」昔、パアララン・パンタオの支援をはじめたころに、谷崎さんというNGOの人に言われた言葉を思い出す。なんとなくゆきづまったときに思い出す。こういうゆきづまり感は、できることをしていないことから来ていることが多い。ということで、とりあえずスポンサーさんへのお礼の手紙、のこっていたのを数通書いて、投函。
次にすべきこと。たぶん、台所の掃除。これがきらい。

パアララン・パンタオ「エラプ校の増築始まる」UP
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写真を送ってくれたみなさん、本当にありがとう。遅ればせながら(本当に遅い)使わせてもらっています。