注文の多い子ども

毎日の疲れ方が、なんというか、むかし、児童館で働いていたころに似てきた。たぶん子どもが、児童館に来る子らの年齢に近づいてきたからだ。

おねーさん、あそぼー、トランプしよう、ゲームしよう、えをかいて、ほんよんで、うまくできないから、つくってよー、とびばこだして、こっちきてみてて、ボールなげしよーよー、えー、きゅうけいなの、ごふんだけだよ、あとさんぷん、あとにふん、あといっぷん、はいおしまい、あそんでくれなきゃかみつくからね、がぶり。

ある日、あんまりくたびれて、仕事の途中に、立ち上がれなくなったことがあった。のこりの時間、すわってトランプとかしてごまかしたが、どうやってアパートまでかえろうかと、ほんとに不安になった。子どもたちひきあげたら、なんとか歩けるぐらいの元気は出てきたが。

幼稚園から帰ってきたちびさんが、「ママ、きょうはなにしてあそぶ」というのがこわい。「ママ、きょうはおふねをつくるんだよ」と自分で決めていることもある。
「ママは遊ばないよ」と言うと、「えー、どうして。ぼくはママがすきなんだ」ともう泣き顔。あああああああ。

牛乳パックでおうちをつくり、紙でタンカーをつくり、した。
「おかーさんはつくれません。今日はご用事するから遊べません」って、最初言ったのよ。「わかった」って、一度はあきらめたかと思ったのよ。すると次にあらわれたときには、牛乳パックを抱えていて、「ママ、これでつくって」って、全然人の話きいてない。「だから、おかーさんはつくれない」って重ねて言ったら、今度はハサミとボンドもってきて、「ママ、これでつくれるでしょう」っていうのだ。なんとかつくったわい。「えんとつもいるの」とか、「もうひとつ、ほしいの」とか、まったく注文の多い子どもだ。それでもって、2軒目の屋根のペンキ塗りはさぼっているし。

で、いろんなことが、片付かない。

昨日、今年度最後の面談。
「以前は、みんなに話したあと、もう一度、りくしくんに言わなければいけなかったんですけど、もう最近はその必要もなく、自分でまわりをみながら、行動できるようになりました。好奇心も旺盛になってきて、みんなと遊べるようになってきたし、たいへんな成長ですよ」
ということで、まあなんとか、やっているみたいです。

たしかに。帰ってきて「きようは、さんにんのこどもと、おにわであそんだの」とか、報告してくれるようになった。これは変化である。
ところが、誰と遊んだの? そおくん? しょうえいくん? ときくと「えーっと、わかんない。しょうえいくんは、おねつでおやすみ」というふうで、
お休みの子の名前は覚えて帰るけど、一緒に遊んだ子の名前は、わからないらしいのだ。……!

それで幼稚園に行ったら、同じクラスらしい男の子が「あー、りくしくんのママだ。こんにちは」とあいさつしてくれるので、「こんにちは。いつもありがとう」と返事したが、この子だれだか、私はわからないのだった。子も子なら、親も親なのだ。

春休みが来る。春休みだ。ああ、どうしよう。