詩集『夜の聲』

久しぶりに街に降りる。
車の試乗会に行ったらミニカーがもらえるというので、ちびさんとパパはそちらへ。その後、交通ランドへ遊びに行ったらしい。ゴーカートには3回も乗ったらしい。
私は、久しぶりに紀伊国屋と県立図書館に行く。買った本と借りた本7冊ほども抱えて歩くのは、しんどかった。

待ち合わせして、帰りに、新しくできたブックオフに寄る。
ちびさんが卒園式に着れそうな(たぶん卒園式にしか着ないだろう)ブレザー800円を見つける。なぜか半額で400円になる。ぶかぶか。3月までに、あと15センチ伸びてください。
パパとちびさん、新幹線のDVDとか買っている。

私は詩集を買う。



こんな詩集を見つけるとは思わなかった。

藤田文江詩集『夜の聲』(復刻版)
105円で買う。

昭和8年、26歳(満年齢だと24歳か)で夭折した鹿児島の詩人。
その詩人の名前を覚えているつもりはなかったのに、本を見たら思い出した。

松永伍一の『悪魔と美少年』という本(旺文社文庫)は、15歳のころに読んだのだ。夭折した詩人や画家などについての評論集。そのなかの「荒淫の果ての孤独祭」という章が、藤田文江について。
いま気になって探してみたら、解説が中井英夫で、夭折歌人について触れていたりして驚いている。岸上なんか駄目だとか歯に衣着せぬ物言いで。

で、藤田文江の名前は忘れかけていたが、次の詩だけは、最初に読んだ15歳のときに、わけもわからないまま胸に焼きついてしまったらしい。
それから10年ほどして、その後も何度も、思い出し、その度に、ああ、まったくこの通りだ、と思ってきた。

   墓碑銘
 
 噫! 影は何処にでもある。
 影(あなた)は宇宙の暗い力とすれすれに。

 私があなたの奴隷であるか。
 あなたが私の奴隷であるか。


それにしても、まさか詩集を手にするとは思わなかった。どきどきしている。

他の詩についてはこちら↓
http://www.urban.ne.jp/home/festa/fujita.htm 

詩集の最初のフランス語は、ボードレールの詩「シテールへの旅」の一節。

 ああ! 主よ 私の心と私の肉体とを
 嫌悪なく見つめる力と勇気とを私に与えたまえ!(阿部良雄訳)