善きことはかたつむりの速度で動く

今度の選挙の争点が政権交代だというのは、ほんとうだろうか。
なんか4年前の自民党の大勝ちのときにも、へんな気持ちがしたけれど、似たようなへんな気持ち。ものごとが大きく変わろうとするとき、それはよく変わるのか? ということについて私は懐疑的かもしれない。

民主党子ども手当が、腑に落ちない。

子どもがいるから意識するんだけど、児童手当は、この10年ほどの間に、それまで3歳までしかもらえなかったのが、小学校卒業までもらえるようになった。まず、小学校3年まで、それから6年まで、というふうに、すこしずつの拡充だったと思う。
その過程で、民主党はことごとく(他野党が賛成したときさえ)反対していたのに、なぜいま、子ども手当26000円なのだろう。

金額が少ないから反対したというなら、金持ちって、全然ものがわかってない。少なくてもないよりはましなのである。野党だから反対したというなら、そういう姿勢はよくない。

月26000円の子ども手当。とても魅力的で、とてもうさんくさく見える。



15年ほどパヤタスに関わるなかで、大金をもってきて、立派な施設をつくったデイケアフリースクールが、数年もしないでつぶれていたり、大きな景気のいいことを言う人に限って、現場の努力が見えずに、現地の人を傷つけたり、混乱だけ残していなくなったりするのを見てきたんだけど、

つくづく思うのは、マハトマ・ガンジーが塩の行進のときに「善きことはかたつむりの速度で動く」と言ったのは、本当だ、ということです。