毛糸

水曜日に毛糸を買って、
木曜日にチョッキを編んだ。
ねずみくんの赤いチョッキ。
http://www.nezumikun.com/webehon/

ちびさん、夏ごろから、秋になったらねずみくんの赤いチョッキがいるんだ、と言い続けてはいたのだ。
いいかげんに編んだから、いいかげんな仕上がりだが、ちびさんにはしっかりねずみくんのチョッキに見えるらしく、幼稚園にも着ていくんだって。

あこがれのねずみくんの赤いチョッキ。

私が編んでいる横で、ちびさん毛糸をあちこち張り巡らして遊んでいた。
ちょうど読んでいた本が、糸を張ったときの直線に魅せられて、毛糸を蜘蛛の巣のように家じゅう庭じゅうに張り巡らせる男の子の話だったのだが、まるで本から抜け出してきたみたいよ。

自閉症の男の子の話「自閉症の息子デーンがくれた贈り物」(大和書房)。読んでいて、デーンの行動や文化が、ごくあたりまえのことと思えるのは、程度に差はあっても、私たちもまた自閉症スペクトラムの住人だからなのだろうか。
違いは、デーンのお母さんのようには、私は子どもに対して注意深くない、ということだが、注意深さは、大事だ、ほんとに。

毛糸は、ちびさん的にはケーブルカーの線路らしい。何年か前に、紐にサランラップの箱をぶらさげて、ケーブルカーつくってやったのを思い出したらしい。

編み終えて、あまった糸で、あやとりなんかしてみたら、ちびさんが、目を丸くして、教えてという。教えてみるが、しっかし、きみはなんて不器用なんだろう。いいよ、もっと大きくなったらまた教えてあげる。

あやとり、昔は私もたくさんいろんなものができたのにな。
いまは、川と箒と二段ばしごと四段ばしごしか、できなくなっている。残念だ。また覚えなおさなきゃ。