自閉症児のコミュニケーション(自閉症基礎講座第3回) その6

☆「相手に伝える」を支援する。

○伝えることへの支援

子どもが伝えたいことをみつける。(どんなことを伝えようとしているか。どんなことが伝えられたらうれしいと思うか)

人に伝える機会をつくる。(子どもがコミュニケーションしてきたら応える。先回りして全部満たされた状態にしない。選択の機会を意図的につくる。)

伝えるための手段をもつ。(一番使いやすい方法を選ぶ)
子どもが伝えてきたら、すぐに応える。(人に伝えたらいいことがあることを理解する。結果ははっきり目に見えるものがよい。)

○伝えることへの支援。気をつけること。

すぐできそうなことを選ぶ。(すぐにできていることを少しかえるだけに、手続きはシンプルにしてすぐに伝わるようにする。)

子どもが自発的にコミュニケーションすることが大切。(援助は最低限にして減らしていく。少し待つことも必要)

他の場面や人に意識的に広げている。

○コミュニケーション発信方法

ことば、身ぶり、実物やカードを渡す・指す、クレーン、発声、視線で見る、など。
子どもの状態によって、何がいいか考える。

○発信 ありがちな(よろしくない)対応

ことばを言わせる。
まねをさせる。

ともすれば言いたくないことばでも、そうしなければいけないと思って言ってしまう。本当に言いたいことなのかを考えることが大切。
形だけ真似して、意味がよくわかっていないことがある。

○コミュニケーションを育てる上で大切なこと

コミュニケーションの土台づくりをしっかりする。
 人と情報をやとりすることの便利さ、楽しさ、必要性に、早く気づかせること。
 より確実にわかる、伝わる手段を早くもたせること。
  ↓
 わかる、伝わる経験を確実に積み重ねることができる手段を用いること(ことばにこだわらない)
 はじめは、結果がすぐ出るようにすること。
 子どもにとって、動機の高いものを用いること。

○人に目を向けていくために

急がない、ゆっくりだけど人に向いてきたところに、しっかりつきあう、できているコミュニケーションをしっかり楽しむ。

わかってもらえた、一緒にいて安心と、子どもが実感できるように。(好きな手ごたえのある活動の共有と共感の積み重ね。こだわり、不安、混乱への子どもの内面を理解しての対応。)

その上で関わる大人の側の提案や要求をわかるように伝えていき、自分と相手の間での調整ができていく機会をつくる。

人との交流遊びを好む時期(まてまて遊び、スキンシップ遊び等)たっぷり一緒に楽しみつつ、少しずつ変化をつけていく。

主導権は大人にあることを伝える。
初めは、子どもの好きなことのなかで、主導権がとれるように。子どもからの巻きこみ、振り回しには、その背景にある原因からその対応を考える。(興味の狭さ、わからなさ、不安等への対応)

(以上、おわり。)

復習でした。

言語聴覚士の女の先生はとてもきれいな声をしていて、耳に心地よく、部屋は暖かく、私は眠たく、時間は短く、伝えたいことはたくさんで、大急ぎの講義だったけれど、だいたいこんな内容でした。

うーん、「ごめんなさい」と「ありがとう」は、「ことばを言わせる、まねをさせる」になっているかも。ごめんなさいも、ありがとうも、関係が理解できないと出てこない言葉なんだけど、これが言えないと、いらない誤解とかとっても苦労する、という経験則から、いやもう、口だけでもいいから、言える練習させておこう、みたいなことなんだが。

さてそれで。

明日は何して遊べばいいんだろう。
今週は学級閉鎖。ちびさん元気。外は雨。