「洪水」5号 その他

詩と音楽のための「洪水」5号に、松村由利子さんが『天秤 わたしたちの空』の書評を書いてくれています。ヴェイユの思想も踏まえて書いてくださって、意図するところも汲んでもらって、たいへん嬉しい。

「今回の大きなテーマは、ヴェイユが決して異端で孤高を保った哲学者ではなく、私たちとつながる存在だというメッセージではないだろうか。ヴェイユの思想、哲学が知りたければ彼女の著作を読めばいい。『天秤』は、詩歌の力によってヴェイユという一人の女性の痛みを追体験し、それを通して歴史や現在をもう一度私たちの手に取り戻そうとする試みだと思う」

まだ全部読んでいないのだれど、河津聖恵(詩人)×三輪眞弘(作曲家)の往復書簡は、ああそうか、と思ったことがいくつか。
「親が子供の存在をまるごと承認していることを伝える「はい」であると同時に、相手(子供)のなかに住まう他者となったみずからを確認する「はい」でもあると思うのです」
「今生きている「わたし」だけが(略)見たこの世界すなわち歌と詩のことばによってしか姿をあらわすことのない、今のこの世界」

金田一秀穂が「この世界を正しく伝達すること。それは自分の思いを表現することよりも難しいし、大切なこと」と何かで言っていたのを思い出した。
それはちょっと励まされる言葉だったのだ。感情の把握(自分自身の感情も)が苦手な自閉脳にとって、思いを表現するというのは、たぶん、とても難しいのだが、それが苦手でも、生きる道はあるぞ、という感じで、受けとめた。

野樹の短歌も5首。
書きたいことを書いているとは思う。でも短歌を書いているかどうかは、疑わしいかも、と思う。隣のページが川野里子さんなので、よけいに。

洪水のHPはこちら→http://www.kozui.net/frame-top.htm
『天秤』のあとがきを紹介してもらっていることは、さっき気づいた。
http://www.kozui.net/nogikazumi.htm
http://www.kozui.net/kawazukiyoe.htm

個人詩誌「ポエームTAMA」70(池田實さん)にも『天秤』紹介してもらっています。http://www.hinocatv.ne.jp/~planet/p7.htm

こんな書評もありました。
http://blog.goo.ne.jp/shokeimoji2005/e/7d24d20f6cd17362d1db2c012eddcf6f

ありがとうございます。