雷雨

朝4時を過ぎると、向かいの森の鳥たちがいっせいにさえずりはじめ、それを聞くのがとてもいい気持ちだ。

車庫の屋根をおおって、ベランダまで伸びた薔薇が花ざかり。Cimg7816




木曜日、雷雨。ちょうど下校時間で、怖かったなあ、と言いながら息子は帰ってきた。

金曜日は、息子が雷雨。
もう風呂に入って寝てくださいという時間になって、宿題をすませてからゲームをしていた、はずの息子が、実は宿題をやらずに遊んでいたのがばれた。
私は、息子の嘘を見つけるのがほんとに上手なので、「嘘発見器」と呼ばれているが、
すませたと言ったはずの宿題を、本当にすませるように言われた息子、
いきなり、
「ぼくは疲れてるんだよっ!」と机の上のノートや筆記用具を投げつけて叫んだ。
たちまちパパにつかまえられて、そのまま号泣。

しばらくして落ち着いた息子の顔には、赤い斑点が一面に浮かんでいる。とくに目のまわり。
いやあ、こんな顔久しぶりに見る。
赤ちゃんの頃、大泣きする度に、こんな顔になった。毛細血管が切れて、真っ赤になるのだった。この子どもは、自分を破壊するほど泣くと思って、心配だったが、小学校にあがる頃からは、こんなに激しく泣くということもなかった。たぶん、言葉で意思を表現できるようになってからは、泣きわめく必要もなかったのだ。

息子、自分で自分にびっくりしたらしい。赤い斑点だらけの顔にも。
キレる、というのがどういうことか、はじめてほんとうにわかった。
「金曜日でよかった。こんな顔で学校に行けない」と言う。
何があったかと思われるよね。

ゲームして遊んで、疲れてるっていう言い分は認められない。学校で猫かぶってて疲れるのはわかる。坂道のぼって帰ってきて疲れるというのもわかる。宿題で疲れるのもいい。疲れたから怠けて眠るというのもいい。でも、疲れたからゲームするというのはなし。
本当はゲームが一番疲れる。
Yくんの話をする。Yくんは、テキストに色が3色以上あると、脳が色の情報を処理するので疲れて、内容を理解するのが大変になるっていう。ゲームはどれだけ色があるのよ。しかも動く。音まである。
きみだって似たような頭なのに、ゲームなんかして、無事ですむもんか。
夜、寝たふりして夜中にこっそり起きて、鉄道の本読んだりしてるし、貪欲に遊びたがるから、疲れる。

たぶん、ほんとに疲れてたんだと思う。

久しぶりだよねえ、こんな顔見るのねえ。
パパと話ながら、小さいころのあれこれを思い出して、なつかしかった。
息子本人は全然覚えてないらしい。たとえば、病院で注射するときとか、全力で泣きわめいて抵抗するから、看護師さんと私と、全力で押さえつけたんだわよ。それで、帰りはこの顔。

「こんなことは、これが最初で最後ですから」と、気味悪いくらい、素直に反省していたのが、私の息子とは思えないほどだが、
それで、宿題をてきぱきすませるかといったら、そうではないし、ゲームもやりたいし(何度も取り上げられているが、すぐにパパを懐柔して、またやるのだ)、叱られても叱られても、懲りないと思う。Cimg7819