ハロウィン満月

ハロウィンがやってくると、ああ1年が終わるなという気がするのは、次の日が、息子の誕生日だからだな。で、今日は万聖節。今から息子に会いに行かなくちゃね、と友だちとマニラの空港で別れたことがあったっけ。友だちは亡くなった息子のお墓に。私はまだ小学生だった息子の誕生日に。何かお土産買って帰ったっけかな。思い出せない。

ちょっと月撮ってくる、と昨夜息子が撮ってきたハロウィン満月。

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たぶん、もう1か月ほど、クラスの友だちが学校に来ていない。親しかったのだ。よく名前は聞いていた。だんだん話しかけづらい気難しい感じになっていって(でもそんなこと、いっさいかまわない洪水ちゃんだけは、気楽に話しかけていたのが、異様に浮いていたらしいけど)ある日学校に来なくなった。
ラインの待ち受けには、お前は俺を知らないだろ、みたいなことが書いてあるので、こわくて送れないんだって。
ゲーム仲間によると、たまにゲームやってる形跡はあるから、生きてるよ、みたいな。

これで何人目だろうなと、思うのでしたが。息子が親しみを感じるような友だちって、そんなに多くないんだけど、ざっと私が思い出すだけでも、小学校から数えて、4人くらいはいる。学校に来なくなってそのまま会えなくなった子たち。
息子、もう不思議とも思わないふうで、淡々としてるけど。

人生って、そういうもんだよね、みたいな。それはそのとおりだけど。

中学生のときに死んだ友だちのことと、高校生のときに見失った友だちのことを、私は思い出したりする。やっぱりそれは、つらかった。耳が、まだ声をおぼえてる。


誕生日なので、ケーキつくる。というか、つくらせる。鹿子に襲われる前に収穫冷凍しといた苺がまだ残っていた。きみが生まれた朝から17年が経ったのだ。

誕生日に勉強したくないらしく、母の古いマンガ読んでる。「ロジオン・ロマーヌイチ・ラスコーリニコフ」は大島弓子が、「罪と罰」をマンガ化したやつ。「ああ、こういう意味だったのかあ」と息子が言うには、以前、小説を読みかけて挫折したらしい、判事とのやりとりがよくわからなくて、読めなくなったのが、こういうやりとりだったのか、と得心したらしく。

きみがいてくれて、楽しい日々だよ。

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