白旗

さて、昨日のこわい女子の一件だが、
担任は、ふたりを呼んで話を聞いてくれたらしい。
6番女子紅衛兵は、最初は認めなかったらしいが、ほかにも目撃者がいて、
給食のときにうちの子に「のろい」「はやくしろ」と言ったことは認めた。
でも、「ぶっ殺す」って言ったのは認めなかったらしい。
でも担任は、傷つくようなことをしたんだよと言って、紅衛兵に謝罪させてくれた。

「もし、ぶっ殺すって言われてないのなら、言われてないほうがいいよね」って、担任はうちの子に言ったらしく、なんかへんな納得のさせ方だが、ぶっ殺すって言われたほうにしてみれば、なんか理不尽だが、まあね、女の子を追い詰めてもしょうがないし。

女の子だからさ、自分が「ぶっ殺す」なんていうことを言う女の子だって、先生やみんなにばれたら、きらわれるかもしれないし、恥ずかしいから、言えないんだよ。それはゆるしてやろうか、
って子どもに言ったら、「うん」って言っていた。

小学校のときの同級生のことを思い出した。体が大きくて、頭もそこそこいい。その女の子が、ひとりの男の子を、小さくて、あまり勉強もできない、ふらふらした感じの男の子を、しきりにかまっていたが、それが何なのか、そのときはわかんなかったけど、放課後の教室で、その男の子のズボンを脱がしているのを見かけたことがある。4年生のとき、か。

かわいそうに、あの男の子はいじめられていたんだ。

ということに、その場で気づかない私、というのも問題あるな。
今ごろその場面を思い出して胸が痛い。



「ママ、これ見て」
って、夕方、紙で何かをつくっていた子どもがそれをもってあらわれた。
「白旗つくってみました」

白旗。どういう文脈で、白旗なのかわかんないが。

「白旗は、まいりました、っていうときに使うんだよ」
まるで必須アイテムみたいに、きみは言うんですけど。

こういうのは、あらかじめ用意しとくべき、もの、か、な?

まあいいや。きみはひとの悪口言わないし、平和主義者だし、いい子だよ。