カラフルボード

いろいろ追いつめられていて、
私、たぶん、こんなことしてる場合ではないんだが。
容赦ないのが、うちのちび。
幼稚園から帰ってくるなり、今日はボードに色を塗るんだ、と言い出した。言い出したらきかん。

そのボードというのは、畳半畳分くらいの断熱材用のスチロール板にベニア板を張りつけたもので、その上にNゲージの線路を敷いて遊ぶつもりらしい。
こないだパパが、スチロール板のほうに白いアクリルを塗って乾かしていたのが、もう乾いているのだった。
それで、その上にまた楽しい色を塗るというのである。
案はすでにできていて、ボートを四角に四分割する。春・夏・秋・冬。
四分割したのをこんどは三角に半分ずつにして、地面と空または海。
で、春は菜の花畑の黄色と桜のピンク。夏は緑の森と青い海。秋は落ち葉と紅葉の森と夕焼けの赤。冬は雪原と水色の空。
で、色塗り。色塗り。けっこうだるい。
でもちびさん、お片づけも自分でして、すこしは役に立つ。
でーきたっと。

きれいだわ。


春。
畑にまいた、はつかだいこんと水菜がもう芽を出している。
てんとうむしがいて、ちびさん、今日ももって帰った空き箱の船をかまえて、「虫ちゃん、のってごらん、すごいところに行けるよ」とてんとうむしをくどいていたが、のってくれなかったらしい。
ふきのとう、また1個見つけた。

庭のすみっこでは、しばらく前に義父がもってきてくれた、しいたけの木にしいたけができて(しいたけの菌を埋めこんだくぬぎの木に、ですね)大きくなったので、これ以上ナメクジに穴をあけられないうちに食べることにした。
義父はかわいい孫のために、しいたけの木を運んできたのだが、あいにく孫はしいたけはきらい。しいたけとろうかって言ったら、
「あー、でも、手が、いやっていうんだ、さわるのこわいよ、さわったら病気になるっていうんだよ」
「手が?」
「うん、手がいうんだ」
あっそ。
私がとりました。大きくておいしそうなしいたけ3つ。
それから私がしいたけ焼いていたら、
「あー、ぼくの口ちゃんが、食べたくない食べたくないっていうんだよ」
「口ちゃんが?」
「うん、口ちゃんが」
あっそ。
刻んで焼きめしにでも入れてやったら食べるだろうが、そうすれば義父にも、食べたよ、と言ってやれないこともないなあと思うが、面倒なので、ちびなんか知らん。親ふたりで食った。

晩ご飯は、しいたけのほかには、川で摘んだクレソンとお店でもらったハンバーグと、ふきみそ。米もみそも義父母のところでもらったもの。

けっこうしぶとく、私たち生かされているなあ。