飛行機

理科の電池の学習で、電池で走る車を作ったのをもって帰ってきた。
それで遊ぶのかと思ったがそうではなく、分解して、飛行機を作るんだという。
飛行機? どうやって?
「飛ばない飛行機だけどね」

飛ばない飛行機って、何がおもしろくて、そんなもの?
クラスの男の子たちがつくって遊んでいるらしい。
「ママ、手伝って」って言う。

クラスの子たちは零戦つくったりしているという。ママ、戦闘機つくる手伝いなんかしないよ、って言ったら、
「ぼくがつくるのは農薬散布機だよ」
と言ったが、そんなの嘘で、飛行機のモデルは、どっかの国の戦闘機だ。

できた。じゃーん。

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飛ばないが、プロペラはまわる。



宿題しているはずが、途中で引き出しから、車や船や飛行機取り出して、遊びながらやるんだけど、つまり、やってないんだけど。それ見ていて、思い出した。
小学校入学前に、教育委員会に就学相談に行ったときのこと。
その日の日記はこんなふう。

「田中ビネーの知能テストをするという。隣の部屋で先生と一対一でする。私たちはそれを、マジックミラー越しに見ていたのだが、声は聞こえないが、いやもう、なんていうか、面白かった。
ちびさん、せっかちである。問題に答えて次の問題までの、すこしの時間が待てない。じっとしていられなくて、つみきや紐を片付ける手伝いまでしている。そうして首をぶんぶん振る。ああ、こんなふうにふるのか。がたがた椅子を揺らす。たぶんじっとしてないからだろう、途中で手遊びように飛行機の玩具をもたせてもらっていたが、ずいぶん余裕があるんだな。飛行機で遊びながら答えている。飛行機が斜めに傾く、あれどんどん傾く、と見ていたら、ちびさん、椅子ごと転んでいる。
先生がちびさんを助け起こしに行く。マジックミラーのこちら側では、親ふたりが声を殺して笑いころげた。マジックミラーごしに見てると、このちびは、面白すぎる。」

あれから4年たつんだ。たった4年。

成長したよね。子どもはね。