6月の庭

詩、というのは蜘蛛の糸のようなものだと思っていた。カンダタがしがみつく蜘蛛の糸Cimg2961


たぶんそれは、15歳の頃に、リルケを読んだことと関係があって、

「存在しよう、と心に決めた以上、
この世に欠乏があるなどという迷いに陥るな」

というオルフォイスのソネットの一節に、しがみついて生きてきたと思うのだ。

糸が、切れてしまったときもたしかにあって、欠乏だらけだと、心が言ったとき、私は、まっさかさまに転げ落ちる自分の姿が見えた気がした。

龍之介の物語のなかで、カンダタはそれっきりなんだけど、私はまた気をとりなおして、蜘蛛の糸にすがりよる。

それでその蜘蛛の糸、ものすごく丈夫らしい。鉛筆の太さ程度の蜘蛛の糸があれば、ジェット機も吊るせるそうだ。
切れるかもしれないなんて、カンダタは、心配しなくてよかったのに。

リルケの手紙

ゴッホは誰の側にもつかなかった。彼は「公園」の側にさえ味方しなかった。彼の愛はただ「名前のないもの」に向かっていた。深く秘められた愛だった。彼は愛を示さない。彼はじっと愛を抱いている。」(1907年10月3日妻クララ宛)

十数年前だけど、東京でゴッホ展観た。うん、こういう感じだ。色もかたちもあるんだけど、それは色もかたちもないものに奉仕している、という感じ。
安田火災のひまわりの絵は、完璧と思った。もう一度見たいな。

梅雨入りしたらしいのに、数日雨降らない。でも畑の水やりサボっていたから、芽吹いたばかりのひまわりが、しおれかかっていた。たくさん水やって、ちょっと機嫌とる。



6月の庭。萩の花咲いた。これは10年ほど前、10センチくらいの小さいのが、10円で投げ売Cimg2960
りされていたやつだ。

薔薇もきれい。つぼみの塩漬けつくった。
どくだみ咲いたのは干してお茶。
シランも咲いた。これはどこかで拾ったの。

いろいろときれいですが、手入れしてないので、庭に踏み込むときは用心しないと、ひっかき傷ができます。蜘蛛の巣に顔つっこんだり。あとナメクジ、ムカデ。