ヨーロッパの地図と昭和の子ども

夏休みの自由作品。
1年生のときは「うみのはなし」っていう絵本つくった。
2年生のときは「いろいろな発電所」っていう絵本つくった。
今年は「世界の国々」っていうのをつくるらしい。

地図かくの、むずかしくないか? Img_4856
と思ったが、かいていた。
今日はヨーロッパの地図。
ポルトガルからはじめて、ひとつずつの国を書き足すやりかたで、かきあげた地図が、ちゃんとヨーロッパのかたちになっていておどろいた。


さすが、毎日のお絵かきの成果というか、ほんとに地図、好きなんだろうなあ。
色塗りと国名を書くのが面倒で、途中で2回ほど気絶していたが、叩き起こして、作業続行させた。
昭和の子どもだった私たちとは、違う世界をおぼえるんだなあ。旧ユーゴスラビアとか、旧ソ連とか、私、記憶の上書きできてない。子どものほうがよく知っている。

子どもが地図かくのみていて、小学校の同級生の男子のこと思い出した。Mくんっていうのだ。悪ガキだった。髪ながくのばして、ヌンチャクふりまわして、いきがっていた。上級生への集団暴行であるとか、砂場で瓶を割るとか、小学生のくせに煙草吸ってるとか、そういう子どものひとりだった。そして勉強はしない。その彼を、理科の先生が、図画の時間の写生をたまたま見かけたのがとてもユニークなかきかたをしていたと、ほめていたのを思い出した。
なんでも銅像の絵を、頭からとか全体からかくのではなくて、足から部分部分を重ねて、これはなんだとおもってみていたら、さいごには銅像になった、ということらしい。

Mくん方式だった。わたしの子どもの地図のかきかた。

そのMくんが、タイガーマスクの「あたたかいひとのなさけも、むねをうつあついなみだも、しらないでそだったぼくはみなしごさ♪」っていう歌を、リコーダーで吹きながら、廊下を歩いていたのを、強烈におぼえている。今から思えば、楽譜がよめなくても気持ちで理解できる、演奏できるんだと、教えてもらった光景だった。
タイガーマスクだよ。ああ、昭和の子どもだったなあ。

と思っていたら、
「ママ、昭和時代の歌ってなかなかいいよね」
って子どもが言う。

子ども、パパのウォークマンを自分のものにしてしまった。いろんな曲が入っているが、クラシックと洋楽がほとんどだが、日本の70年代フォークもすこし入ってたもんだ。子ども、それ聞いてる。
これ、子どもに聞かせていいのか? って歌詞もいろいろあるけどなあ。

鼻歌で歌っている、なごり雪も降る時を知り……♪
ピアノから聞こえてくる、あーだから今夜だけはきみを抱いていたい……♪

子ども、さらに言う。
「昭和時代の車もなかなかいいねえ」

算数ドリルやってたはずが、机の上には、昭和の車の模型ができてる。
なんて車か説明されたけど、忘れたけど。

子どもはドリルのことを忘れている……。