がっこ。

午前中、がっこ。
児童と親と300人ほども体育館にいて、体操したり走ったり、ボール運んだりじゃんけんしたり、しているうるささのなかにいたら、しかもBGMまであるんだ、もう耳の過敏なんて言ってらんない。いっそ何もかも麻痺して、どうでもよくなってしまう。
あんなに話しあっていて肝心なところは意見の統一がはかれてなかったりする。誰の考えにあわせればいいのかわかんない。考えるのも話すのも面倒くさいので、人数あわせとか、わかったふりして適当にすませた。ひとりふたり数がちがったからって、どうってことない。どうってことないでしょ。(とは言わないでおく。)

じゃんけんカードゲームは、負けたらカードをとられるという厳しいもので、しかも雑踏にもまれる。たくさんの人がざわざわと動き回るのに圧倒されて、それでもってじゃんけんは負けて、女の子ひとり泣き出して、泣きやまない。まあ、それが当然と思うわよ。
そのうち、男の子もひとり泣き出した。これはゲームが終わってお母さんと離れるのが悲しかったから。

去年のきみなら、パニック起こして泣いてる場面なんだが、一応、何かあったときにすぐに見つけられるようにと思って、私は赤いシャツ着て、帽子もかぶっていたんだが、ママなんかさっぱり必要ないみたいだった。
プラカードもったり子どもならばせたり、カードくばったり、走り回ってる私の名札見て、あ、りくしくんのお母さんだ、とクラスの子たちがなぜか次々、声をかけてくれるが、りくは「ママ」とも呼ばないで、にこにこ見ていた。でも水筒の水、飲ませてくれたけど。
あの騒がしさと混雑のなかで、泣きもせず耳もふさがず、じゃんけんも勝ったり負けたりしながら、欲しかったトムとジェリーのカードは手にいれられなかったが、ポケモンぐらいは手に入れて、別れ際、
「じゃあ、ママ、あとで、おうちでね」
と妙に大人の挨拶をして教室に戻って行った。

終わったあとの反省会で、先生や親たちの品評会みたいなことになったりして、そういうのが、私はなんかすごく気持ち悪い。中学校の教室の女子の会話みたい。別にここに限ったことでなく、女の人たち集まるとそんなふうなんだな。ほかの人たち平気なのかな。私は気持ち悪い。いちぬけたい。

それで夜。

「ママ、ママがじゃんけんゲームのおてほんを、みんなのまえでやったとき、ママといっしょにじゃんけんした人はだれのおかあさん?」
と子どもにきかれた。
……わかんない。
「そういうときは、めいぼをみるといいんだよ。なんくみのなんばん?」
……見てもわかんない。

だって、今日受け付けもしたんだよ。たくさんの人の名前みて、だれがだれだか、すっかり混乱してしまった。こないだは覚えていたんだけど。だからたぶん、またしばらくしたら思い出すかもしれないけど。

療育センターに診察の予約入れる。
ひょっとしたら、りくより私の方が必要かもなあ。