怪我のあとさき

子どもの耳の怪我は治ったが、でも傷は深々と残っているが、
全治一週間かかった怪我について、学校はあれから何も言ってこない。
担任も校長も何も。
治療費がどうなるのかもわからない。
相手の子どもの親も何も言ってこない。Sは自分が何をしたか、さっぱり自覚ないだろう。
もしかしたら担任は親にも校長にも何も言ってないんじゃないか。

子ども、怪我した耳を、木曜か金曜に、出席番号22番の男の子にひっぱられて痛くて泣いた(そりゃ痛いだろう)、ということを今ごろになって言う。
22番とは誰か、ときくけど、子ども、決して言わない。クラスの子の名前を家で言えないのは恥ずかしいからだというが、そこのあたりの感情はわかるような、わからないような、なんだが。
出席簿みて、めまいした。
子ども、2歳のときに、ことばの遅れを心配されて、しばらく、保健センターの教室に通ったことがある。そのとき一緒だった男の子だ。小さい妹もいて、まだ若いお母さんはふたりの面倒を見るのがたえられなくなって、保育所にあずけて、仕事するようになった、ときいた。
何か診断出てるかどうかわかんないけど、なかなかたいへんな男の子だったよなあ。そうか、こういう再会の仕方をするか。
参観日に会うことになるかな。

一応、担任には、あれこれ連絡帳に書いて連絡はしてるんだが、書いても、見ました、のひとこともないのがなあ、先生、大丈夫かな。
靴箱、まだ対処してくれてないし。

というわけで、明日の昼間は学校に行って、校長か教頭に話をしよう。
夜は近所のSの親に話をしに行こう。怪我のこともだが、しじゅう遊びに来るのはいいんだが、「中国人はばかだ」という発言も困るなあと思ったが、日常的に嘘をつくのが困る。親にも嘘ついてるだろう、きっと。
ついでに、通学班のほかの男の子たちの家を全部まわって、うちの子を追い回したり、うしろからランドセルつかんだりするな、と言いに行こうか、そろそろ。

昔、児童館や学童保育で働いていたとき、はっきり言ってケモノみたいな子どもばっかりだったから、しじゅう叱り飛ばしていたけど、それは全部が他人の子だし、目の前のことに対応すりゃいいので、善悪もわかりやすかったし叱りやすかったけど、自分が親になって、自分の見ていないところで、子どもに起こったことについて対応しなきゃいけないというのは、なんかなあ、えらく面倒くさいな。

でも黙ったままですますつもりはないんである。