乳酸菌

米のとぎ汁で乳酸菌がつくれる、というので、ものはためしにつくってみた。
ペットボトルに、米の一番とぎ汁を入れる。塩すこし、砂糖もすこし、入れる。牛乳もすこし入れてみる。ふたをしてふる。
で、あったかいところに置く。うちは風呂につかってもらってた。
ときどきふたをゆるめると、ぷしゅーっていうので発酵しているんだなあと思っていて、1週間たったら、できていた。たしかに乳酸菌の匂いのするのが。いいんだろうか。こんなに簡単に成功して。

洗剤のかわりになるそうなので、使ってみたら、すごい。
やかんがぴっかぴか。金色のやかんとおもっていましたが、実は銀色のやかんだった。油汚れで金色になっていたんだね。10年ぶりぐらいにもとの色。しかも光ってる。

掃除がきらいです。掃除機の音と洗剤が、とにかくゆううつ。
箒で掃くぐらいのことはするけど、それで納得できなくて掃除機かけるのはパパで、私と子どもはその間、一番遠い部屋に逃げる。
それから洗剤がきらい。洗剤は、さわると指が痛くなるし、でも手袋もきらいだし。なのにパパは、掃除してほしい希望だけは切なるものがあるらしく、次から次へと洗剤買ってくるのが、いじらしいような、いまいましいような。
落ちない汚れは見ないふり、していられるから私はいいんだけど、ひとりで暮らしてるわけでもないので、掃除しないわけにもいかない。悩ましいのだったよ。

それが洗剤使わずに、やかんも鍋も流しも、風呂も、きれいになるのだ。食器も洗える。これはすごい。すぐに飽きるだろうが、飽きないうちに、磨いとこ。
霧吹きで液を吹きかけて、そのあと拭くだけ。らくちんらくちん。指が痛くならないし、匂いで気分悪くなったりもしないし。頑固な汚れもすこしタンサンをまぜてやると、落ちる。
風呂にも入れてみたら、子どもは鼻づまりがよくなったらしく、好評。

牛乳のなかに入れたらヨーグルトもできた。おもしろーい。

米とぐ度に、ペットボトルは増えていって、乳酸菌さんたち、いま6号ぐらいまで、お風呂につかってる。晴れたら、畑にも撒いてやろ。

むかしむかし、子どもの頃に、米のとぎ汁をグラスに入れて氷浮かべて、弟に、カルピスだよって言って飲ませたことあったけど、姉ちゃんこれ何、だましたな、ってつき返されたけど、残念だなあ、見た目はほんとにカルピスなのになあ、って思ったんだけど、あれから長い長い歳月の後に、ついに錬金術は成功して、乳酸菌ができたのでした。

そいで錬金術後の乳酸菌飲料飲まされてるのは、あのときの弟と同じくらいの年齢になった私の息子。