眠れる森の

気づくと、庭の木々がうっそうと茂って、ジャングル化していた。

こないだまで冬だったのになあ。

別にジャングルでも、私はいいんだが、

眠れる森のなかで暮らしていても、全然かまわないんだが、

パパが町内会の役員のせいで、最近、人がよく来るようになったので、

それでも通路が確保できてればいいだろう、と私は思っていたんだが、

おたくの庭、枯葉をつんだままにしてるけど、ムカデが発生するわよ、

とかなんとか、いろいろ言われたりするのが面倒くさいとパパが言うもんで、

(だいたい私はひきこもってるので気づかなかったんだけど、ある日パパと一緒に近所を歩いてたら、パパが町内のおばさんに呼び止められて、その話が長くて、集会所の掃除当番とかトイレットペーパーの話だったけど、無駄に話が長くて私は閉口したけど、いつものことみたいなんだけど、でもあんな感じで、いや、おたくの庭だけど……って言われたら、かなわんだろうなあと思った)

のこぎりと鋏をもって、午後、庭に立った。

暗くなるまで働きました。

枝を切って葉っぱをむしって、枝を切って葉っぱをむしって、

ごみ袋6袋ぶん。

庭にすこし陽射しがもどってきた。

都忘れがもう咲いている。

夕方、畑に水やりに行ったら、さくらんぼの、残りの実が消えていた。赤くなってるはずのが、すっかりない。鳥だろうなあ。近所に、もっとたくさん実のなった、もっと大きな木がいくらもあるのに、なんでうちのをとるかなあ。

いちご10個ほど収穫。あすはもっと採れるだろう。