過去にならない

目にとまったニュース

☆「被爆2世」の白血病で新研究
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120603/k10015570261000.html

被爆の遺伝的影響、に関わる話。

個人的には、やっぱり、と思う。それで、きっと白血病に限らないと思う。
被爆地にいて、身近に、原因不明の慢性的な体調不良とか、血液の異常とか見ていると、被爆の影響を疑わないほうが不自然だ。
でも、そういうことは、差別につながりかねないので、思っても言わないのが礼儀、らしい。
だけど、差別ねえ。
どんな差別もそうだけど、差別できる人の幸運を蔑むだけだよね。
つきあわないし、つきあえないし。

過去になってゆかない。67年たっても過去じゃない。『チェルノブィリの祈り』という本の副題が、「未来の記憶」だったと思うけど、「未来」と「記憶」という矛盾する言葉が、矛盾なく繋がる、言葉をかえれば、永続する苦しみってことだ。思えばそうとうに憂鬱なことなんだけれども。
それでも人はなんとか生きてゆくし、価値も創造するし、幸福にもなれるけれども。

だけど、ここにいたってまだ原発を動かそうとする人たちは狂ってると思う。

☆オウム菊地容疑者 殺人容疑で逮捕
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120603/k10015573101000.html

胸に痛みが走った。オウムの容疑者たちには、同世代でもあるし、共感もしたのだったけど。20代30代のほとんどを指名手配のビラを全国に撒かれたなかで、身をひそめて生きていくってどういうことだろう。20歳そこそこの頃の過ちなんて、もう過去にしてあげていいと思うのに。
つらいなあ。自分の10代20代頃の言動を、記憶され、裁かれるとしたら、ちょっと耐えられないと思うよね。
過去にしてはいけない犯罪としてそれがあるのなら、いたしかたない、のか。

過去にしてはいけない犯罪なら、戦争も、原発事故も。
真摯に振り返る個人の内面の闘いが、どうしたって必要なんだと思うけれども。