スケルトンの熊

熊の目撃情報がありましたから、気をつけてください。母子の熊です。
近く文書配布しますから、回覧お願いします。
というようなことを、役所の人かな、どこの役所の人だろな、おぼえてないけど、若いお兄さんが来て、そう言ったのはいつだっけ。
こないだの災害の前だっけ後だっけ。
ツキノワグマだっけ。
このあたり、毎年、熊出ますけども。

ここんとこ、防災無線が毎日のように鳴る。雨が降る度に鳴る。警報がでなくても、注意報のお知らせで鳴る。解除でも鳴る。避難所の開設と閉鎖のお知らせその他で鳴る。急に連絡が細やかになった。

雨が降ると肩がこる。今朝ちょうど通学の時間に大雨だったのは、かわいそうだった。それでもここは、のんびりしてる。
ボランティアのこととか、義援金のこととか、敬老会のこととか、町内会や子ども会の、連絡やらお知らせやらで、ばたばたしてるくらいだけど、
それはそれでよくわからない細かさで。

「熊が足りないよう、熊、熊♪」

とパパが歌いながらコピーしていた。熊出没注意の文書がやってきたけど、回覧にまわすのに数が足りない、ということらしい。

「ああ、スケルトンの熊さんだ。(熊の絵が紙の裏から透けてみえるらしい)
うちの熊さん、かわいいよ♪」

……お疲れですかね。