カタコト

さて、担任の先生はRちゃんのクラスまで行って、話をつけてくれたらしい。
なんでも、うちの子がちらちら見るから、ストーカーって言ったってことらしいのでしたが、傷つけるようなことだと思わなかった、もう言いませんってことだった。
やっぱり逃げろ。

それで思い出した。
小学校6年のとき、クラスの男子に、目があう度に「見るな」と怒鳴られていたな、私。たまたま目があった、ぐらいのことなのに、そう怒鳴られると、なぜ怒鳴られるのかが謎で、また目があったらまだ怒鳴られるんだろうかと、気になるからまた見てしまって、また怒鳴られる。
毎日しんどかったい。
あんまり思い出したくないなあ。
名前覚えてる。いまいましいが、わたしの弟は、のちに彼に世話になったこともあるらしいので、あんまり言わずにおこう。

昨日、子ども会。スポーツ大会とバーベキューだが、スポーツ大会は行きたくないっていうので、バーベキューの準備のほうに連れてった。
役員でもないんだけど、なりゆきで、おむすびつくる。つくったので、私も子どもらにまじってバーベキュー食べる。
「おかあさん、ここにどうぞ」ってTくんが私の席をつくってくれるのがおかしい。

子どものころ、まわりの子どもの言動は謎だったけれど、私の息子も、謎のなかを困惑しながら泳いでいるのだろう。
久しぶりに近所の子らと遊んだんじゃないだろうか。TくんともRちゃんとも遊んでいた。

隣の団地の3年生の子のお母さんの、たどたどしい感じの日本語が、何か慕わしかったから、きいてみると、フィリピンの人だった。いもの葉っぱのこと、シニガン・スープのこと、ココナッツのお菓子のこと、食べ物の話ばかりしていた。

  ふるさとの訛り聞くごとくファミレスの少女のカタコト日本語を聞く

って書いたのは、去年東京に行ったときかな。
カタコトで生きているよなあと思う。それは海外に行ったときだけでなく。
日常で。なんでもないように暮らしながら。