SLやまぐち号

週末、山口の義父母のところ。
昨日は雨のなか、今年の運行をはじめたばかりのSLやまぐち号に乗った。湯田温泉駅から津和野駅まで。
車内は車両ごとに、明治風、大正風、昭和風、欧州風、展望車風、と、それぞれ雰囲気のあるつくりになっていて、楽しい。席に座ったままの人より、あっちこっち車内を見て歩く人のほうが多いだろう。私もちびさんと端から端までうろうろした。四人がけの座席のそれぞれのテーブルの上には、SLの本とか玩具、弁当、ジュース、ビール、トランプが、広げられていて、家族連れ、恋人たち、ひとり旅の若いお兄さんも親切で、そこかしこ、さりげなくしあわせそうな光景だった。
最近、ちびさん、こわがりで、車両の連結部分がこわいとか、展望車に出るのはこわいとか、泣いたり抱っこしたりめんどくさいが、「たのしかった」らしい。津和野駅に到着しても、ホームからずっと、やまぐち号を見ていて、いつまでも外に出たがらなかった。
途中の駅で、もくもくの煙のなかで、働くおじさんが石炭をくべていた。それを見ていて、気づいたら、私の白いコートに無数の黒い点々の模様がついていた。しばらく鼻の奥まで煤煙くさかった。
雨の緑のなかに、梅の花が咲いているのが、胸に沁みた。