東京(おるすばん篇)

駅まで、ちびさん迎えに来てくれたが、おかえりも言わなければ、目もあわせない。顔をそむけてくすくす笑うのは、照れているのらしい。ハイチュウをわけてくれる。3日ぶりに会う子どもの微妙な距離感。

パパが「いつでも離婚して、父子家庭できるぞ」という。がんばって留守番した、と言っているのである。たしかに、掃除洗濯は私がいないほうがきれいになるし、たぶんそうだろう。ちびさんのお弁当もつくったというし、ちびさん全部食べたし、完璧ではないか。
でもよく聞いてみると、なーんと、3日連続、マックとファミレスと、それから玩具屋に通ったらしい。それはちびさん、さぞかし楽しかったろう。

家に帰ると、おそれていた光景が待っていた。寝室には電車が走り(それはいつものことだが)大型バスや新しいトミカも加わっていて、テーブルの上にはお菓子の山。2階のこたつの上に、ついに出現したNゲージ。

めまいしそう。

ちびさん、私の荷物のなかから目ざとく電車を見つけ出し、またひとしきり、走らせて遊んでいた。

寝るころになってようやく視線があう。布団に入れると、首にしがみついて、「ママだいすき、ママだいすき、ママだいすき」と、唱えながら寝た。

しかしながら、「男子三日会わざれば刮目して見よ」である。
パパがひとりで忙しそうに家事をしているのを見て、ちびさん、とてもよく言うことを聞いたらしい。お片づけも自分でしっかりできたらしい。
日曜日は町内会の会合で、パパは役員なので早めに行って設営するんだが、ちびさん、バイス椅子を並べたり、座布団並べたり、やってくる人たちに、プリントを渡したり、とってもよくお手伝いして、町内会のおじいさんたちを喜ばせていたらしい。
パパは感動したので、それでNゲージを出してやることにしたんだ、という。また買ったんだな。

ああ、こたつが使えない。

18日月曜日は、教育委員会の担当者が、幼稚園での様子を見に来たらしい。落ち着いていて、行動もよい。指示も受け止めているし、発表もできる、大丈夫でしょう、という電話があったらしい。来週、また教育委員会に行って、ドクターの診察とかテストとかあるのかな。そのあと、学校訪問の予定。

来月は、発達障害の診断書をもらいにいかなければ。ちびさんの医療費の助成の件。

何はともあれ、まず片付けなきゃ。このぐちやぐちやの家のなか。何より私の身の回り。