賢治の短歌

宮沢賢治の短歌をとっても久しぶりに読み返している。
賢治の短歌は面白い。とんでもなくて、ぞくぞくする。

どっどどどどう

の風の音が深くからひびいてくるみたいで。

 ひとびとは鳥のかたちによそおひてひそかに秋の丘をのぼりぬ
 
は、おとなしめだが、
 
 そらはいま蟇(ひき)の皮もて張られたりその黄のひかりその毒のひかり
 入相の町のうしろを巨なる銀のなめくぢ過ぐることあり

なんか、たまらん、と思う。空がヒキガエルの皮で、町を大きななめくじが這う。

 われもまた白樺となりねぢれたるうでをささげてひたいのらなん
 くわくこうのまねしてひとり行きたればひとは恐れてみちを避けたり

賢治らしいなあ、と思う。
こんな不思議なのもある。

 なつかしき地球はいづこいまははやふせど仰げどありかもわかず
 そらに居てみどりのほのほかなしむと地球のひとのしるやしらずや

いま本(筑摩の全集の第一巻)の半分ほど読んだんだけど、このあとは、もっとおどろおどろしいのが出てくるはずなのだ。どきどき。

ちびさん、雨のなか、元気で幼稚園バスに乗った。
ゆうべは、ペルーのマチュピチュに行ってUFOがくるのを待つとか、エジプトに行ってらくだにのってピラミッドみるんだとか、言っていた。どこに行ってもいいけど、そのまえにとりあえず、幼稚園だね。