Paaralang Pantao 11

☆ニカシオたち

パアララン・パンタオには7月末から、マレーシアの女の子が滞在していて、一ヶ月くらいいるらしいんだけど、彼女、英語マレー語中国語のほかに日本語もすこしできて、助けられた。ジーチェンという名前だけれど、ソフィーと呼ばれていた。
で、ソフィーが、コーディネーターのメイから聞いたニカシオたちの消息を教えてくれた。メイは仕事で地方出張中。

シンガポールのグループが、パアラランから小学校にすすんだ子ども6人に奨学金を出している。
そのうちのひとりがニカシオ(11歳)。小学校2年生。
ニカシオには去年会った。母が死んで一週間経つけれど、お金がなくて葬儀が出せない、それでメイのところに相談に来ていた。父は前年に亡くなっていて、ニカシオとふたりの姉は孤児になった。きょうだいのためにメイは奔走していた。家を売らずに葬儀が出せるように。
姉は28歳と17歳。28歳のジョアリンは、去年会ったとき、情緒不安定な感じで気になった。17歳のジョアンニはとてもしっかりしていた。

いま、きょうだいは、以前からの家に、もうひとりのジェイピー(11歳)という少年も加えて、4人で、シンガポールのグループの支援を受けながら暮らしている。
ジェイピーは両親が死んで姉と残された。姉は結婚したが、姉の夫はジェイピーの面倒を見たがらない。それでニカシオの家で、一緒に生活させることにした。
子どもたちにとって、金銭よりも重要な支援は、たとえば、料理を教えること。料理ができれば、少しの収入でも、食べていくことができる。今までみたいに、捨てられたものを拾って食べなくてもいい。
ふたりの姉、ジョアリンとジョアンニは、ゴミ拾いをやめて、うまくイメージできないのだが、段ボールの再利用の内職のような仕事をしているらしい。