金曜日。療育センターで自閉症基礎講座第二回。
「感覚の偏りのある子どもたち~感覚統合の視点から~」
作業療法士の先生のお話。
自閉症の子どもたちが、どのような感覚の偏りをもっているのか、それによって、どのような生きにくさ、困り感をもつことになるのかを理解し、必要な支援を探る。子どもの立場での支援ができる、子どもの脳に負担のない援助を考えるのが目的。
プリントの文字が見えにくいし、図を文字にして表現するのも難しいんだけれど、忘れないうちに、メモっとこう。
☆「自閉症児は、しばしば殺人的な刺激の洪水から逃れるために、環境と人をシャットアウトしてしまう。
自分と環境の境界も自覚できにくい。見るもの、聞くもの、触るものすべてが絡まり合って、感覚機能が無統制のまま入り乱れた世界に生きている。」(自閉症者の自伝(テンプル・グランディン)から)
☆「視覚という面では、文字を見ると反応して読んでしまうということです」「聴覚では、ザワザワと人の話し声がする場所で、自分が話をしている相手の声だけを聞き取ることが難しいです。」(兼田絢未「にじの架け橋」)
☆アスペルガー症候群の子どもによく見られる感覚的特徴
大きな音に過敏
注意を向けるのが難しい
偏食
たえず動き回っている
特定の衣服しか着ない
列に並んでいると人にドンと突きあたる
髪を洗うことやブラッシングをいやがる
書くことが苦手
不器用
→ちびさん、すべてあてはまる。
(かくことも、絵はかくけれども丁寧にはかけない。文字を書くのは苦手。大きさも列も一定しない。)
☆感覚統合とは
「いろいろな感覚刺激と脳の中の記憶などの情報を一つにまとめること」「脳に流れ込んでくるさまざまな感覚情報を交通整理する脳の働き」
感覚統合に難しさがあると、脳の中は混乱している。
自閉症は、感覚統合に難しさを抱えている。
☆感覚統合の難しさがあると
過敏や感じにくさ
感じ方の偏り(過度の不安感や過度な快感)。
感覚刺激への気づき(刺激に気づかない。選択的に集中できない。)
不器用
姿勢を保つことが苦手→私もちびさんもとっても苦手
感覚の判別性が低下
自分の体の状態把握(ボディイメージ)が苦手
複数の動作を同時に行うこと
複数の動作を順番に行うこと
場面にあった動作を考えること が苦手
☆触覚(防衛的機能と判別的機能)の偏り
触覚過敏・防衛
人から触られるのを嫌うが自分からは触る。
特定の感触のものを嫌う。
手足が汚れることや、洗髪や散髪を嫌う。
人から逃げる。人を叩く(人を遠ざけるために叩く)
緊張している。慣れにくさ。
テンションが高い、など。
触覚鈍磨
触っても気づかない。泥や砂などを過剰に好む。など。
不器用。
☆前庭感覚(重力と加速度、バランス機能)の偏り
重力不安
姿勢の変化や運動に対して説明がつかないほど怖がる。
足が地面から離れたり頭が傾くことを極端に怖がる。
姿勢不安
姿勢の変化を怖がる。
緊張している。体を固くする。など。
前庭感覚鈍磨
いくら回転しても目が回らない。激しい揺れを好む、など。
ボーっとしている。低緊張。
☆固有受容覚(自分自身の体の感覚)の偏り(にぶさ)
ボディイメージ(位置や運動方向)、自己概念、器用さ、情緒の安定、外界探索能力などに関わってくる。
布団の間にはいりこむのが好き。
固いものを好む。
ぶらさがるのが好き。
力いっぱい抱きつきたがる。
不器用で力加減が難しい。など。
☆視覚の偏り
視覚過敏
光や回転に対して過剰な反応、極度にまぶしがる。
見えたものにすぐ反応する。
視覚鈍磨
視覚刺激の強いものを見ても平気、見せても注目できない。など。
情報整理の難しさ
探し物ができない。(できない!)
☆聴覚の偏り
聴覚過敏
ある種の音に過剰に反応。
換気扇、掃除機などの音によって気が散りやすい。
人ごみやうるさい場所を嫌う。
音を遮るために大声を出したり耳をふさいだりする。
聴覚鈍磨
音に気づかない。注意を向けない。
情報整理の難しさ
音が聞こえる方向がわからない。注意を向けない。聞き直しが多い。
☆嗅覚の偏り
嗅覚過敏
臭いに非常に敏感。ある種の臭いを嫌う。何でも臭いを嗅ぐ。
刺激の強い臭いが好きである。など。
嗅覚鈍磨
臭いに対して非常に鈍感。臭いに気づかない。
刺激の強い臭いを好む。など。
☆味覚の偏り
味覚過敏
味の違いに敏感。味が混じり合うことを嫌がる。
刺激の強い味を好む。偏食。など。
味覚鈍磨
味の違いに鈍感、刺激の強い味を好む。など。
☆感覚過敏に対する活動のポイント
主体的な感覚体験(受け身的でないこと)
自分自身で刺激のコントロールができること。
無理に慣れさせようとは思わないこと
絶対的な安心感のなかで体験できること
受け入れられるものから丁寧に段階づけること
高さ、安定性、スピード、素材
認知的側面での配慮も大切に
見通し・予測性 活動に対する目的性・意味
☆感覚過敏に対する調整
生活環境に含まれる嫌悪刺激を調べ、居心地のよい環境になるように感覚刺激の構造化を行う。(安全な環境を確保する)。
感覚過敏によるストレスが蓄積しないよう、適宜、リラックス・固有系を用いた活動などを提供する。
嫌悪刺激を適切な方法で回避する方法を身につける。(これは重要)
☆感覚探究に対する調整
多動・変わった行動・癖・こだわりの背景にある感覚系に目を向け、共感的理解で、そのような行動を理解、対処する。
感覚探究が生じている感覚系のニーズを満たす活動を考え、生活の流れのなかに織り込むこと。
覚醒やパフォーマンスを安定させる感覚刺激も活用。
感覚探究を趣味・社会的活動・仕事に生かすこと。
(つづく)
ああ、たしかに、自閉症文化圏のなかにいるなあ、と思う。
偏りは、過敏だけでもなく鈍磨だけでもない。過敏と鈍磨が、まだら模様にモザイクのように、あるような気がする。でも自分にとってはそれがあたりまえなので、説明しがたい。
もしかしたら、ものかくことは、刺激回避の方法として身につけたことかもしれない。日記に、その日のこととか感情とか、あれこれを、とにかく書いてしまわないことには、神経が落ちつかない。書いて、体のなかに残っている快不快を、紙にうつすことができると、やっとすこし息ができて落ち着くんだった。中学高校のころ。むろん、書くぐらいではおさまらなくて、泣いたり叫んだりしてたけど。
いまもあまり変わらないか。
「感覚の偏りのある子どもたち~感覚統合の視点から~」
作業療法士の先生のお話。
自閉症の子どもたちが、どのような感覚の偏りをもっているのか、それによって、どのような生きにくさ、困り感をもつことになるのかを理解し、必要な支援を探る。子どもの立場での支援ができる、子どもの脳に負担のない援助を考えるのが目的。
プリントの文字が見えにくいし、図を文字にして表現するのも難しいんだけれど、忘れないうちに、メモっとこう。
☆「自閉症児は、しばしば殺人的な刺激の洪水から逃れるために、環境と人をシャットアウトしてしまう。
自分と環境の境界も自覚できにくい。見るもの、聞くもの、触るものすべてが絡まり合って、感覚機能が無統制のまま入り乱れた世界に生きている。」(自閉症者の自伝(テンプル・グランディン)から)
☆「視覚という面では、文字を見ると反応して読んでしまうということです」「聴覚では、ザワザワと人の話し声がする場所で、自分が話をしている相手の声だけを聞き取ることが難しいです。」(兼田絢未「にじの架け橋」)
☆アスペルガー症候群の子どもによく見られる感覚的特徴
大きな音に過敏
注意を向けるのが難しい
偏食
たえず動き回っている
特定の衣服しか着ない
列に並んでいると人にドンと突きあたる
髪を洗うことやブラッシングをいやがる
書くことが苦手
不器用
→ちびさん、すべてあてはまる。
(かくことも、絵はかくけれども丁寧にはかけない。文字を書くのは苦手。大きさも列も一定しない。)
☆感覚統合とは
「いろいろな感覚刺激と脳の中の記憶などの情報を一つにまとめること」「脳に流れ込んでくるさまざまな感覚情報を交通整理する脳の働き」
感覚統合に難しさがあると、脳の中は混乱している。
自閉症は、感覚統合に難しさを抱えている。
☆感覚統合の難しさがあると
過敏や感じにくさ
感じ方の偏り(過度の不安感や過度な快感)。
感覚刺激への気づき(刺激に気づかない。選択的に集中できない。)
不器用
姿勢を保つことが苦手→私もちびさんもとっても苦手
感覚の判別性が低下
自分の体の状態把握(ボディイメージ)が苦手
複数の動作を同時に行うこと
複数の動作を順番に行うこと
場面にあった動作を考えること が苦手
☆触覚(防衛的機能と判別的機能)の偏り
触覚過敏・防衛
人から触られるのを嫌うが自分からは触る。
特定の感触のものを嫌う。
手足が汚れることや、洗髪や散髪を嫌う。
人から逃げる。人を叩く(人を遠ざけるために叩く)
緊張している。慣れにくさ。
テンションが高い、など。
触覚鈍磨
触っても気づかない。泥や砂などを過剰に好む。など。
不器用。
☆前庭感覚(重力と加速度、バランス機能)の偏り
重力不安
姿勢の変化や運動に対して説明がつかないほど怖がる。
足が地面から離れたり頭が傾くことを極端に怖がる。
姿勢不安
姿勢の変化を怖がる。
緊張している。体を固くする。など。
前庭感覚鈍磨
いくら回転しても目が回らない。激しい揺れを好む、など。
ボーっとしている。低緊張。
☆固有受容覚(自分自身の体の感覚)の偏り(にぶさ)
ボディイメージ(位置や運動方向)、自己概念、器用さ、情緒の安定、外界探索能力などに関わってくる。
布団の間にはいりこむのが好き。
固いものを好む。
ぶらさがるのが好き。
力いっぱい抱きつきたがる。
不器用で力加減が難しい。など。
☆視覚の偏り
視覚過敏
光や回転に対して過剰な反応、極度にまぶしがる。
見えたものにすぐ反応する。
視覚鈍磨
視覚刺激の強いものを見ても平気、見せても注目できない。など。
情報整理の難しさ
探し物ができない。(できない!)
☆聴覚の偏り
聴覚過敏
ある種の音に過剰に反応。
換気扇、掃除機などの音によって気が散りやすい。
人ごみやうるさい場所を嫌う。
音を遮るために大声を出したり耳をふさいだりする。
聴覚鈍磨
音に気づかない。注意を向けない。
情報整理の難しさ
音が聞こえる方向がわからない。注意を向けない。聞き直しが多い。
☆嗅覚の偏り
嗅覚過敏
臭いに非常に敏感。ある種の臭いを嫌う。何でも臭いを嗅ぐ。
刺激の強い臭いが好きである。など。
嗅覚鈍磨
臭いに対して非常に鈍感。臭いに気づかない。
刺激の強い臭いを好む。など。
☆味覚の偏り
味覚過敏
味の違いに敏感。味が混じり合うことを嫌がる。
刺激の強い味を好む。偏食。など。
味覚鈍磨
味の違いに鈍感、刺激の強い味を好む。など。
☆感覚過敏に対する活動のポイント
主体的な感覚体験(受け身的でないこと)
自分自身で刺激のコントロールができること。
無理に慣れさせようとは思わないこと
絶対的な安心感のなかで体験できること
受け入れられるものから丁寧に段階づけること
高さ、安定性、スピード、素材
認知的側面での配慮も大切に
見通し・予測性 活動に対する目的性・意味
☆感覚過敏に対する調整
生活環境に含まれる嫌悪刺激を調べ、居心地のよい環境になるように感覚刺激の構造化を行う。(安全な環境を確保する)。
感覚過敏によるストレスが蓄積しないよう、適宜、リラックス・固有系を用いた活動などを提供する。
嫌悪刺激を適切な方法で回避する方法を身につける。(これは重要)
☆感覚探究に対する調整
多動・変わった行動・癖・こだわりの背景にある感覚系に目を向け、共感的理解で、そのような行動を理解、対処する。
感覚探究が生じている感覚系のニーズを満たす活動を考え、生活の流れのなかに織り込むこと。
覚醒やパフォーマンスを安定させる感覚刺激も活用。
感覚探究を趣味・社会的活動・仕事に生かすこと。
(つづく)
ああ、たしかに、自閉症文化圏のなかにいるなあ、と思う。
偏りは、過敏だけでもなく鈍磨だけでもない。過敏と鈍磨が、まだら模様にモザイクのように、あるような気がする。でも自分にとってはそれがあたりまえなので、説明しがたい。
もしかしたら、ものかくことは、刺激回避の方法として身につけたことかもしれない。日記に、その日のこととか感情とか、あれこれを、とにかく書いてしまわないことには、神経が落ちつかない。書いて、体のなかに残っている快不快を、紙にうつすことができると、やっとすこし息ができて落ち着くんだった。中学高校のころ。むろん、書くぐらいではおさまらなくて、泣いたり叫んだりしてたけど。
いまもあまり変わらないか。