自閉症文化圏(つづき)

(つづき)

☆ボディイメージ(自分の体のイメージと、体の動きや物との位置関係などに関する能力。前庭感覚・固有受容覚・触覚が関わる)
ボディイメージに難しさがあると、
 よくぶつかる・転ぶ。
 通れないところを通ろうとする。
 ジャングルジムやアスレチックがうまくできない。
 スポーツができない。
 巧緻動作(ボタンの留はずしなど)ができない。
 書字・箸動作などがうまくできない。
 同じ失敗を繰り返す。
 やる気がない。いやがる。
 椅子にうまく座れない。座っている位置がずれる。などなど。
(思いっきりあてはまる。なるほどなるほど。)

☆ボディイメージを高めるために
しっかりと感覚(前庭感覚・固有受容覚・触覚)が入る遊びをする。粘土や砂などの触覚遊び。ブランコ、トランポリン、重たいものを運ぶ。
身のこなしが必要となる三次元空間で体を動かす。ジャングルジム、アスレチック、狭いところ、など。
頭で考える(目で見て判断する)のではなく、無意識(自働的)に体が反応するようになっていったほうがよい。
たとえば自転車などに乗るためには、体的発想で、試行錯誤していくことが必要。

☆場面にあった動作を考えること。
発想・思いつき→企画・順序立て→実行・試行錯誤

☆ケース1 製作活動のときにのりに触れない、絵の具がつくと嫌がる。(触覚過敏が影響)
無理にさせない。
触れられるものから、徐々に広げていく。
嫌になったらすぐにやめられるように。道具などを用いても可。
汚れたらすぐに拭けるようにする。
先生や友だちとのやりとりも。

☆ケース2 ブランコなどはげしく揺らす(前庭感覚の鈍磨が影響。周りが思っているよりも刺激として受けていない)
十分に感覚を満たすぐらいするのも可。
揺れの方向をかえたり姿勢を変えたりして、いろいろな刺激を受けることで、そんなに大きく揺らさなくてもよくなる。

☆ケース3 おもちゃをすぐに壊してしまう。(固有受容覚の鈍磨のため、力加減がわからない)
重さの違いを感じていく遊び。

ケース2は、小学生のころの私にあてはまる。それで、あんなにはげしくブランコを揺らさないと気がすまなかったのか。

〈感覚統合について〉

☆感覚統合がうまくいっているとき
感覚情報→適応反応

☆感覚統合に難しさがあるとき
感覚情報→脳のなかの混乱→どうなるのかわからない反応

☆感覚統合発達のプロセス

図1
聴覚・前庭感覚・固有受容覚・触覚・視覚
   ↓
第一段階 姿勢を保つ・バランスをとる など
   ↓
第二段階 自分の体をイメージする、慣れない運動を組み立てる など
   ↓
第三段階 目で見たところに正確に手指がいく、
     形や音を区別できる など
   ↓
第四段階 感覚統合の最終産物

(ちびさん、第一・第二段階で、相当に躓いているなあ。)

図2
聴覚・前庭感覚・固有受容覚・触覚・視覚
  ↓レベル1(入力の統合)
眼球運動、姿勢、バランス、筋トーン、重力に対する安心感、吸う、食べる、母と子の絆、触覚的心地よさ
  ↓レベル2(入力の統合)
身体感覚、身体の両側協応、運動企画、活動レベル、注意力、情緒的安定
  ↓レベル3(入力の統合)
話し言葉、言語、目と手の協調、視知覚、目的的活動
  ↓レベル4(最終産物)
集中力、組織力、自尊心、自己制御、自信、学習能力、抽象思考や論理能力、身体と脳の特殊化

だいたい以上。

なるほどなあ。ちびさんがすべりだいが怖いのはなぜか(すごく短いのなら滑れるが、すこし長くなるともうこわい)、踊れないのはなぜか、ふとんにはさまれるのが好きなのはなぜか、とか、よくわかる。

私が徹底的に運動音痴だったのがなぜかもわかった。ボールがくるほうに手を出して、ボールを受け止められるようになったのは、大人になってから。児童館で子ども相手に、卓球やバドミントンしたとき、へええ、私ってこういうことができるんだ、と驚いたもん。

ちびさんも時間かかるかも。目と手の協調とか。
でもいつか、できるよ。