自閉症児のコミュニケーション(自閉症基礎講座第3回) その2

自閉症児のコミュニケーションに及ぼす特性〉
  感覚の受け入れの問題
  人との関わりの問題
  物事の理解(想像力)の問題
  視覚と聴覚のアンバランスの問題


☆感覚の受け入れの問題

○聴覚・視覚・触覚・味覚・姿勢や体の動きなどの感覚が非常に敏感または鈍い。

生活のなかで、食事、風呂、排泄、スキンシップ等でもたらされるいろいろな関わりが不快な経験と感じられ、ひととの関わりを避けたり、物ごとを経験する前にシャットアウトしてしまう。

〈対応〉
事前に予告しておく。(抱っこするよ、と言ってから抱く。太鼓を叩くよ、と言ってから叩く、等)
感覚に入ってくるそのものを制限する。(耳栓やサングラスなども必要なら使う。静かな環境。)
自分で触らせたり、音を出させたりする。
好きな活動のなかで受け入れ幅を少しずつ広げていく。
軽くではなく、しっかりギュッとにぎったり、圧を加えて押すような触り方をする。
生活全体のなかで情緒的な不安わ起こしているものはないか。
起きてしまったときには、しんどかった気持ちに共感し、大丈夫な状況を伝え、必要に応じて、その後のまわりへの対応の仕方を伝える。

○一度にひとつの感覚チャンネルしか働かない。

たとえば、相手の目をみながら、同時に耳で聞いたり、話したりすることが難しい。
目の前のことに集中していると、まわりの声かけに気づきにくい。
ちかちかする光といった気になるものがあると、話したり、聞いたり、作業したりすることが難しい。などなど。

〈対応〉
話しかけても気づかないときは、名前を呼んだり、見てわかるものをそばにいって見せる。
気になるものは、取り除いたり弱くする。
子どもの状態によっては、目をあわせて話すことを無理にさせない。

☆対人関係の問題

○相手の意図や気持ちを想像することが困難
人の気持ちははっきりとは見えないもの。
相手の気持ちの理解は、暗黙の了解で成り立っている社会的ルールによるところが大きい。

たとえば、相手の言葉とそのなかにこめられた意味がわからず、字義通りに受け止める。
相手の言葉と、他の表情や声の調子などをあわせて、言葉の意味を理解することが難しい。
表情や感情の理解が難しい。
場面によって言っていいことと悪いことの区別がわからない。
相手の立場に立っての想像ができにくい。
自分の相手に対して行ったことについて、相手がどう受け止めるか事前に思い当たらない、また事後も相手がどう受け止めたかのフィードバックができにくい。などなど。

〈対応〉
暗黙の了解の部分は、ことばや目で見える形(絵、文字等)ではっきり伝える。
自分の気持ちについても、ひとりではあいまいなことが多いので、その気持ちを名づけたり、意味づけたりすることが必要。
学童ぐらいになると、コミック会話やロールプレイ、ビデオ、表情やボディサイン、気持ちについての学習等、客観的に相手の気持ちを理解できるようにする方法のなかから、あったものを使っていくことも考える。

まだまだつづく。
 
30人ほどのクラスで8人が新型インフルエンザまたは風邪で休み。
ということで、明日から金曜まで、また学級閉鎖。
あーどうしよう。
念のため熱はかってみるが、ちびさん、熱もなく元気。