旅の仲間 春の旅4

4日め。早朝に駅を出て、豊後竹田へ。
この駅の接近メロディーは「荒城の月」なのだが、全国的にも珍しいのは、それが女声合唱で流れることらしい、と息子から聞かされてはいた。ほんと、はるこうろうのはなのえん(女声合唱)だ。さっそく岡城址へ。

時間がないのと私の足が痛いのとで、行きはタクシーを使う。安かったので、ついでにずっと奥まで登ってもらった。
人がいない。こんなに桜咲いているのに。
一番上のあたり、菜の花咲いて、凄いお花畑だった。

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しばらくふらふらふわふわとお花畑をさまよった。
城址たぶん、30年ぶりぐらいかも。その頃大分にいた友だちに連れてきてもらったかも。

 さまざまなこと思い出す桜かな  芭蕉

という句を思い出すけど、いろんなことを忘れる。いろんなことを思い出せない。思い出せない思い出の総体が、一本の桜だったり一人の私だったりするのだ。

さて、人の世に降りてゆくので、外していたマスクする。昭和なたたずまいのなかを歩いて駅まで戻る。
それから大分へ。途中どこかの駅で降りた。菜の花咲いてた。この日、どこで朝ごはんと昼ごはん食べたか、はっきりしない。どこかのコンビニで何かを買って、駅のホームか列車のなかで食べた、はずである。

大分から久大本線。4年前は久留米から由布院まで乗ったので、今度は大分から由布院までゆくのかと思ったら、南由布で降りたね。由布岳素晴らしかったけど、あと、近くの施設のおばあさんたちが駅の駐車場でお花見してたけど。

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息子はここで写真撮って、大分駅に戻って、駅構内で、いろいろながたんごとんを撮りたいのであった。で、ここで由布院に行きたい私と別行動。夕方、大分駅で待ち合わせにする。

4年前、3月も終わりなのに、由布岳は雪が降って白かった。それはそれで美しかったのだが、地上は雨だった。あのとき行きそびれた湖まで行ってこよ、と思った。
膝に新しい湿布を貼って、大丈夫、歩けそう、と歩き出した。一度来ただけなのに、見覚えのある川沿いの景色はなつかしい感じがする。などと思いながら歩いていて、歩いていて、歩いていて、

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いつまでも辿りつかないのはなぜだろう。気づくと、なんだか町はずれだし、人けはないし。
思いっきり道に迷っていたんだけど。
引き返す。やがて人の波があらわれて、波にのったらなんなくたどりついた湖。
気がすんだ。

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1時間ほどの散歩のつもりが2時間歩いて、とうとうほんとに足が痛くなったけど。
大分で息子と合流して、別府へ。宿は海の近く。このころから、雲ゆきあやしい。風吹いて、雨が近づいてくる匂い。

修学旅行の予算内で、という目標なので、それでも余裕のつもりだったが、2度の特急課金で1万円の想定外の出費で、わりとぎりぎり、でも最後の夜だし、どっかご飯食べに行こ、と話して、私と息子とではそんなもんだ。近くのファミレス。息子、とんかつ定食ごはん大盛たのんでいた。

足が痛かったのである。まあ、明日は帰るだけだし、そんな歩かないし、と思っていたんだけど、お風呂に入ったら、足の痛みが消えたのである。嘘みたい。温泉すごい。
嬉しくて、翌朝もまた入った。