王様のたんじょうび

街路樹が色づきはじめると、生まれたばかりの子どもを抱いて、病院からもどった日のことを思い出す。車の窓から見える紅葉がきれいだった。

さて子ども、11月1日で8歳になった。
ほしかった王様シリーズの本も(ハンメありがとう)、地図帳も手に入れて、おじいちゃんおばあちゃんからお小遣いも届いて(なのに、今度あったら玩具も買ってもらおうとたくらんでいる、ものすごく貪欲である)、いいなあ。
買い物のとき、「ママ、その帽子かっこいいね」とか「帽子についてるバッヂもすてきだね」とか、ほめてまとわりつくのは、王様の本のまねしてるんである。ほめたら内緒で何かいいものもらえる、はずなんだが、相手が悪いな。

それでも晩ご飯は、食べたいもの並べてやったのだが、安売りのコロッケとシューマイ、ポタージュはインスタント。サラダの、レタスと水菜とプチトマトは畑から。拍子抜けするほど手がかからなくて、安上がり。

「コロッケがあって、シューマイもあって、サラダもあって、ポタージュもあって、ケーキもあって、ぼくは大満足だ」

これで大満足とはしあわせだ。

ケーキ、3分の1と、4分の1と、8分の1の、どれがいいか、ときいたら、「8分の1」と答えた。あ…やっぱり、わかってない。
絵をかいて考えなおして、3分の1食べることになったが、実際はもっと食べてるね。王様。