手紙

息子から、お手紙もらった。
昨日コンピュータークラブで、今日はお父さんお母さんに手紙を書きましょう、ということだったらしい。スパシーバのロシア文字とマトリョーシカは最初からあって、乗り物は自分が貼りつけて、文章はローマ字で打った。
それで教室に校長先生がやってきて、この手紙読んだらしい。それでまたいろいろと話がひろがるんだけど、それはまたのちほど書くとして、たしかにお手紙受け取りましたっと。

「父と母へ これまで何から何までありがとうございます。お礼にこれをわたします。20才までお願いします。〈ついしん〉おいださないで!」



それで夜、中学校小学校の校長教頭と地域の自治会とか防犯とか議員とかの、懇親会があって、パパは自治会の役員なので行ったのだ。すると校長先生から「手紙見ましたよ」と声かけられたものだから、パパはふと、この日頃気になっていたことを言ったらしい。
自分は自閉症だということで、息子は自信をなくしているのではないだろうか。だからあんな手紙を書くのではないだろうか。
校長が絶句したので、担任の先生と母親とよく話し合ってもらおう、ということで話をおさめたらしいのだが、ふるな、私に。

「ぼくが運が悪いのは、自閉症だということだよ」と言うようになっているので、そろそろ、まわりとの違和感や、自分が自分をどう受け入れるかということや、いろいろ悩みはじめるころではありますね。
それはねえ、長い旅だよ。

だが「あんな手紙」について言えば、彼の個性ですけどね。笑ってしまったけどもさ。ついしん書いたのは「ぼくはじぶんの気持ちを主張しようと思った」そうです。いい子だ。

同じその夜、私は子ども会の役員会に行っていて、近所の男の子のパパから、「出て行け」と叱られた息子が、ほんとに出て行って、あとで探したら、ランドセルしょってバス停に立ってた、という話とか聞いていたんだけど、

ああ昔、私は、叱られて追い出された弟を、拾いに行く係りでしたが。