なめくじのレストラン

音楽教室のビルの入り口に、毎年ツバメの巣ができる。
いま5羽の雛がいるが、なんと巣が重さで落ちてしまったらしい。今日行ったら、階段のところに、小さな段ボールの箱に入れられていた。親ツバメが外を旋回しながら、人間が立ち去るのを待っていた。

寒い春だなあ、と思っている間にも、季節は移っていて、畑で大きなムカデを見つけたりする。
また苺が食べられている。たぬきかな。どうすればいいんだろな。ツルが伸びてきたから、畑ひろげたんだが、私はたぬきのおやつのために働いているんだろうか。
そういえば、しいたけができるはずのクヌギの木は、もうすっかり、なめくじのレストラン。最初の2つか3つは、なめくじの食べ残しのしいたけを、私たち食べたが、いまは、しいたけがしいたけになる前に、すっかり食われてしまう。なんにも残らん。

それでもって、蟻が。
台所に長い長い列。
むかし、大学の寮にいたときに、木造モルタルの1階で、サッシではない窓ガラスは、どっかから飛んできたボールで割られていたが、窓の隙間から長い長い蟻の列が、砂糖壺までつながっていた、あのあざやかな、白と黒のコントラストを忘れないが、その後はずっと2階暮らしだったので、部屋のなかに蟻があらわれるのは、とても久しぶりかも。
子どもの飴か、どこでもらったんだったろう、黒砂糖の菓子か、そのあたりを狙って、床から食器棚にのぼり、テーブルにいたる、長い長い列。
運命というのはかなしい。飴があれば、蟻はそこに向かうのだ。でもって、見つかればすなわち、死の行進。一匹ずつ潰す。上からスプレー缶のガスもふりかける。累々と屍。まったく、ひどい。

そろそろ、衣替え、しなけりゃ。