蟻の汗

昨日参観日で、学校に行ったら、授業のはじまる前、息子が教室から出てきて、
「ママ、さっきの昼休みに、女子がぼくの肩をつかんで、それがすごく痛かった。それで、蟻の汗って言われた。それからまた別の女子に、誰かがぼくのことをキモイって言ってたって伝言ゲームみたいに言われた。」と訴えてくる。
うーん、キモイはわかるとして、蟻の汗って何?
「それはぼくがチビだから」
はあ。
蟻の汗ですか。そりゃ見えないくらい小さいってこと? ...
「ぼくはへこんだ」となんか怒ってる。
ふうん、怒るようになったかー、とちょっと新鮮。
あんまりだと思ったら先生に言えばいいし、たいしたことないと思ったら黙っててもいいし、好きにしていいよって言ったら、その場で先生に言いに行っていた。
判明したこと。その女子は握力がつよくて、肩もみが上手で、先生にはそれがちょうどいいこと。(だから、悪気じゃないというのはわかった)。でも、蟻の汗はよくないねえ、って先生は言った。(ので、ぼくの気持ちもはれた)。キモイについては、もともと誰が言ったかがわかんないから、先生に言わなかった。

キモイはねえ、キモイの伝言ゲームしてるほうがよっぽどキモイけどね。
蟻の汗はいいよ。蟻の汗は。って言ったら、
「なんでっ」って怒る。
だって、世界は蟻の汗でできてるよ。宇宙から見たら、みんな蟻の汗でしょ。みんな見えないくらい小さい。 でも蟻って汗かくのかな?
「さあ、わかんない」

で、一緒に帰ったんだけど、バス降りてからの坂道、ほかに子どももいないし、車もいないし、息子、坂道を両手ひろげてくるくるまわりながら、のぼっていく。楽しそうだねえ。
私はもう息があがる。よくこんな坂道、毎日のぼってるよな。

千里の道も蟻の汗から。
三千世界も蟻の汗から。