また、女子!

また、女子!
登場するのは3人。おなじみ出席番号6番紅衛兵と28番(ランドセルの輪っかをはずした子)と32番。

まず6番に言われたんだって。子どもの手提げ袋に私は肩掛けのひもをつけているのを、だめなんだよって。子ども、あれこれ言われるのも慣れたっていうが、ほんっと、うるさいおばさんだなあ。
お母さんがつくったんだよ、って言いなさい。文句あるならうちに来てぼくのお母さんに言って、って。ここの坂道のぼってこい。
私がつくったの! けちつけんなよ。
6番は、掃除時間にも掃除の仕方がどうこう言ってきたんだって。すると先生が、人のことより、自分のすることをしなさいって言ってくれたんで、助かった。
ここまではよくある話。

ここからが。

「32番が、言うんだ。ぼくは、お父さんやお母さんと、ほんとうは血がつながっていないんだって。すると28番も、それに同調するんだ」
へ?

へへへ?

へへへへへ?

笑っちゃった。
このお父さんとお母さんの子でないなら、誰の子? こんなにお父さんお母さんによく似ていて、かわいそうに、きみは、いやでもどうでも血のつながった子どもですけど、なんで、32番はそんなこというの?
「わかんない。ぼく、どう対応すればいいかわからなかった」
うーん。そんなこと言うのは失礼だよ、って言えばいいかなと思うけど、いったいどっからそんなことを思いつくのか、謎だな、女子。

と思って思い出した。
そういえばむかし、少女まんがなんかで、継子いじめの話とか流行った気がするけど、あれかな。
そういうシチュエーションって、萌えるのかな。 
萌え、かな。

え、じゃああれか、きみはひょっとして、アイドルなのか。
「まさか」
と、子どもは冷静。

「それで、28番と32番は、ぼくがトイレに行くのに、あとをついてくるんだ」
なんで?
「わかんないよ」
あんまりうっとうしかったら、先生に言えよ。
「もし先生に言ったとしても、そんなことしてないって言うに決まってるよ。無駄。」
だけど、なんでかな。パンツのなかのリスが気になるのかな。
でもだからって、女子に、リスを見せたら、変態って言われるから、気をつけるんだよ。 
女子って、ほんとに自分勝手で、面倒だからさ。

 (ここで合唱)
なんでそんなにはねるんだ♪
リスが、リスが、パンツにリスがいるんだよ♪

「たとえ体を裂かれても、狐の生徒は嘘言うな」(宮沢賢治
につづく、新標語ができた。

たとえ、トイレについて来られても、パンツのなかのリスは見せるな。

私はわかった。女子はおばさんである。