テレビのニュース

戦争を知らない子どもたち、という歌。
小学校の学芸会か何かでクラスで歌った記憶があるが、たしかに私たちは、戦争が終わって生まれたのだった。

私の親たちは、子どものころが戦争で、戦争のせいか、貧しさのせいか、小学校しか行けなかったから、あんたたちはいい、平和な時代で、学校も行けて、ほしいものも買えて、わたしたちのころは戦争でなんにもなかった、と言われながら育ったけど、そのせいか、戦争は、過去のことと思ってきた。
家にテレビがなかったから、ベトナム戦争も知らずに育った。どんな映像も見なかった。

なのに、戦争を知らずに育った私が、戦争を過去でなく、現在の、いまのいま起こっていることとして、子どもに話さなければならないというのが、なんだかものすごく嫌だ。

何げなく見ていたニュースだが、破壊の場面のなんと多いことだろう。
子どもがいちいち尋ねるようになって、いちいち答えなければならないのが、うすうす苦痛だったのが、なんかもう、やりきれないほどになってきた。
これは事故で壊れた車。これは爆弾で爆発したビル。これは火事の火。これは戦争の炎。
小さな子どもの名前はとりわけ気にかかるらしい。○○ちゃんって、だれ? 事故で死んだ子。△△ちゃんは? 殺された子。どこのようちえんにいっているの? だからもう、いないの。

テレビでニュース見るの、やめよう。