Paaralang Pantao 1

ノートや紙切れに書きつけたことの整理を、しておこう。

まず、親しい人たちの消息などについて。



ジュリアンは、パアラランが奨学金を出してカレッジに進学させた最初の生徒のひとり。仕事は06年に今の会社に就職してずっと続けている。
結婚したの?と訊いてみたのは、ちょっとしたからかいのつもりだったんだけど、当然、という感じで「YES」と答えが返ってきた。いま3か月の男の赤ちゃんがいる。「とても小さい子だよ」。
水曜日、近くのジュリアンの家に(「とても小さい家だよ」と言った。キッチンと寝室だけの小さな家)遊びに行くと、奥さんのモッティと赤ちゃんのカイルがいた。
この赤ちゃん、生まれて間もなく病気で死にかけた。病院に運んで一か月入院させたが、お金がとてもかかった。国の補助もすこしはあったけど、足りなくて、ジェイが助けてくれた。オフィスの仲間も助けてくれた。「ぼくは本当に幸運だ。赤ちゃんが元気で大きくなってくれるように祈っている」というジュリアンは、すっかりお父さんだった。体つきも変わったもんね。昔、きゃしゃな少年だったのに。

小さな赤ちゃんは、抱くとすこしひきつけるようにのけぞる。小さな気むずかしい赤ちゃんと小さな家を、ジュリアンが必死で守ろうとしているのに胸打たれた。



学校に行くと、マリアペレがいてびっくりした。6、7年前に、田舎から出てきて、再婚してパヤタスにいる母親と弟妹たちと暮らしながら、パアラランのアシスタントの先生をしていた女の子だ。カレッジに進学したいと言うので、援助するつもりだったが、恋に落ちていなくなった。結婚したわけではないらしいが、その後、男と別れて、3人の息子を連れて帰ってきた。3歳と2歳、それから10か月の男の子のお母さん。
今年から、パヤタス校の先生になった。

マリベルは、パアラランの奨学金でカレッジを卒業後、パヤタス校の先生になったが、妊娠してやめた。結婚したのかな。

もうひとりのメリージェーン先生は、ジュリアンのお姉さん。(でも血のつながりはない。昔、祖父母を亡くしてみよりのないジュリアンを隣人だったジェーンの両親が息子にしたのだ。)97年ころ、高校を卒業して2年パアラランの先生をした。とってもシャイな女の子だったけど。結婚してやめていたが、また数年前から先生をしている。なんだかとてもしっかりしたお姉さんになっている。


昔の先生たちの消息も聞いた。
エデンはいま50代かな、ガンになった。
クリスティーナ先生は、白血病で今年3月に亡くなった。40歳。若すぎる。末っ子はまだ7歳ぐらいじゃないだろうか。

(つづく)