『天秤』について

河津聖恵さんのコメントです。
 
 
かわづ きよえさんの投稿:
野樹さん『天秤』紹介記事をありがとうございます。去年前半は様々な機縁があり、ヴェイユを読み続けました。そして、野樹さんとのこのコラボで、自分がなぜヴェイユにこんなに惹かれるのか、を探り、あらたに自分を発見しつつ、詩を感覚し、詩で確認していきました。「書こうと思っていたことではなく、書くつもりのなかったことも書かされてしまうのが、待ったなしのコラボのこわいところ」とは、私も痛感したことです。意味やイメージをつかむ余裕がなかったから、言葉自体にすがりつきましたが、そのことでかえって、自分の内奥から無意識が引き出されていきました。もちろんいい加減に書いたというのではありません。言葉と無意識がせめぎあい、快楽と苦痛の両極にひっぱられた。野樹かずみというすぐれた歌人との、コラボ関係そのものが、揺らぎ続ける天秤でした。みなさまに手に取っていただき、ヴェイユの魂や私たちのうたと、共鳴し対話していただければ本当にうれしいです。