マイナス

もう何年も前に、パパがひとりで開発した計算システムは、自宅のパソコンで、何百桁でも何千桁でも、数万桁まで、一瞬で計算できちゃうという「世紀の発明」らしいが、人にも知られず、一銭にもならず、ときどき子どもの遊び道具になっている。「わしの発明は子どものおもちゃなのか」とぼやいている。
ちびさん、上機嫌でパパと一緒に遊んでいる。適当になんでも数字を入れると、ばばばばっと計算するのだから、わけがわからなくても、面白いのだろう。

「ぼく、マイナスがおもしろいよ」などと言っている。
ああ。それはきみの親たちの懐事情だが。

まあね、そりゃたしかにマイナスはおもしろいよ。それでもって、おそろしいよ。

マイナスとマイナスを掛けたら、どうしてプラスになるんだろうなあ。

外もマイナスだろうなあ。「ひょーてんか、ひょーてんか」とちびさん喜んでいたが。雪降っている。明日も幼稚園バス遅れるかなあ。