韓国が目指す国。
— 崔碩栄 (@Che_SYoung) February 19, 2019
公園に設置されていた「詩碑」を撤去する。理由は作者の徐廷柱が「親日詩人」だという理由。この詩は私の学生時代に「名詩」として国定国語教科書に載っていた。
私にはタリバンと変わらないように見える。それが今の韓国が目指す国かも知れない。いや韓国に似合う国かも知れない😣 pic.twitter.com/ujaLW2N4h2
という記事を見かけた。
それはない、というか信じられない思い。それはもう、だめなんじゃないかな。
1年ほど前に、セクハラスキャンダルのせいで、高銀が書いた日本軍慰安婦を追悼する詩碑が撤去された、というニュースもあったけど、それは撤去が自然、と思う。高銀のノーベル賞もないだろうな、と思う。
でも「親日詩人」が理由で撤去、はどうかしてる。愚かとしか思えない。
手もとに、徐廷柱(ソ・ジョンジュ)の詩を収録してある本が何冊かあるので、ものすごく久しぶりにめくる。埃くさくて咳が出る。
「朝鮮詩集」「再訳 朝鮮詩集」「未堂・徐廷柱詩選 朝鮮タンポポの歌」「現代韓国文学選集5 詩集」
一番好きな詩を書いておきます。「朝鮮タンポポの歌」「現代韓国文学選集」所収。撤去する?という詩は、これではないかと思う。金素雲の訳。
☆
菊の傍で 徐廷柱 (訳 金素雲)
一輪の菊を咲かそうとて
春からホトトギスは
あんなにも啼きたてたのだろうか。
一輪の菊を咲かそうとて
雷は黒雲の上で
あんなにも轟き渡ったのだろうか。
つきせぬ心の名残りを
遠のいた若さへとどめて
いまは立ち帰り ひっそりと鏡の前に立つ
わが姉によく似た花よ。
黄色いその花を咲かそうとて
それでゆうべは あんなにも初霜が下り
それでわたしを 夜っぴて寝つかせなかったのだろうか。
☆
金素雲の訳から半世紀ぐらいは過ぎたのだろうか。最近だと思う、ネットの検索で見つけた蓮池薫さんの訳が、すごくいい。
菊の横で
徐 延柱 蓮池 薫 訳
一輪の菊を咲かせんがために
春からコノハズクは
あんなにも鳴いたようだ
一輪の菊を咲かせんがために
雷は黒雲のなか
また あんなにも鳴ったようだ
恋しさ無念さに胸締め付けられた
遠い青春の裏小路から
いま戻って鏡の前に立つ
わが姉のような花よ
真黄色いおまえの花びらを咲かせんがための
昨夜は初霜があんなに降り
私も眠りにつけなかったようだ
☆
遠い青春の裏小路から……。万感迫る。