中秋の名月とパアラランの近況

気づくと、金木犀が咲いている。10月。
中秋の名月だよ、月を見に行こうと息子が言うので、金木犀のにおうなかを、畑まで。すすきもあるが、まだ穂をひらいてない。

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9月、あれから息子は定期考査があって、なんと10か月ぶりの考査で、範囲は広く、提出の課題も多く、いつものように友だちと公民館で勉強しようと思ったら、公民館は机も椅子も撤去されていたらしく、学校の図書室は受験生が使っているし、近隣の図書館も勉強禁止、息子と友だちは「どっか勉強するところ」を探して、放浪したあげく、フードコートを撤去していないスーパーにたどりついた。
家ですればいいのに、って言ったら、「わかるでしょ、家ではリラックスモードになるから無理なんだって」って言った。その通りですね。
勉強するって部屋に行って、30分しないうちに降りてくるもんね。どうかすると5分で降りてくる。で、氷をかじったり、スマホいじったり、パパと野球見たり。まだ終わってないでしょって、追い立てても、またすぐに降りてくる。妙に静かで、なかなか降りてこないときは、まず例外なく、寝ている。
ほぼすべての時間を数学と化学に費やさねばならず、時間がないので、現代国語と古典のまとめノートつくってやった。ネット検索して、切り貼りしただけなんだけど。「山月記」とかなつかしかったな。臆病な自尊心と尊大な羞恥心。
考査終わって、数学の追試も終わって、学校は中止になった文化祭のかわりに校内だけで何かやるらしく、お化け屋敷だとか、模型作りだとか、準備してるらしい。
本当なら、今月は海外に修学旅行に行くはずだったんだよね。コロナで中止。少しかわいそうではある。

パアララン・パンタオの近況を聞く。
(英語のやりとりを息子にさせることができるので、とっても助かる)
フィリピンもずっとコロナ禍で、スラムで蔓延したら恐ろしいので、パアラランは今年は休校、と私は思っていて、建物の維持費と先生たちの休業補償を少し、送ることができればいいがと、それくらいしかできることはないだろうと思っていたんだけれど、
なんと、パアラランは9月から、始まっている。子どもたちは来ないけれど、母親たちが、家で、家庭教育ができるように、母親たちの少人数ずつのレッスンを、はじめているという。7月からスタッフや友人たちでレッスンの内容を吟味し、テキストやカードやいろんなものを準備してきたのだという。母親たちひとりひとりを先生にしてしまおうというわけだ。
いや、パアラランすごいな。
そういえば、昔からそうだったのだが、危機に直面する度に、パアラランはしなやかに変容を遂げてきたのだった。給食はゴミ山が崩落した惨事をきっかけに実現したし、大学生への奨学金も、分校の開校も、幼児教育へのシフトも、スタッフの確保も、いつもほんとにお金がないなかから、不思議な力で、必要なことを実現する道筋を見つけてくる。現場の強さだなと思う。何をすればいいのか、おのずから見えてくるんだろうな。

そういえば、30年前の開校当時から、母親たちに教育が必要だ、母親たちを教育したい、とレティ先生は言っていた。それを実現している、ということだ。

いや、すばらしいよ。

パアラランはほんとに前向きなので、いろいろあるけど、お金だけはないけど、私も前向きにがんばろう、と思う今日この頃。ニュースレターつくろっと。
パアラランのHPはこちら。

www.fureai-ch.ne.jp