事故祭典

「Gallows Humor(絞首台ユーモア)」って言葉があるらしい。少し遡るけど、共通テスト絡みのツイートは凄かった。恐い蟹は、2日めにいて、数1a超絶難化だったみたいね。息子もさんざんだったんだけど、あの日あのとき、私は受験生たちのツイートを読んでた。トレンドになってたもん。他人事でなくて自分の息子ごとだから、ほんとにおそろしかったわ。あとで聞くと、息子、スミスさん(ケアレスミス)にもやられたらしいから、ぼろぼろで、点数もなかったんだけど。
解いても、答えが選択肢にない、という恐怖を語ってくれましたけれども。もう無理、進路変えよう、もうどうでもいいと思って、休み時間にツイッターひらいたら、受験生たちの阿鼻叫喚の嵐で、息子、それで落ち着いたらしい。友だちと一緒に見て、あれこれのGallows Humorに大笑いして、落ち着いた。友だち大事、笑いも大事。
続く数2bは、ひらきなおって、奇跡的高得点で、全体としては、なんとかもちこたえた。
こんな試験、二度と受けない、と言った。よほどしんどかったらしい。終わったあとは、これから事故祭典、明日の教室は平安祭典とか言っていた。

予想よりはるかに少ない得点だったのに、目がさめたら、平均点もボーダーも下がっていて、結局いつものところに彼はいた、らしい。

自己採点を、自虐を込めて、事故採点とか、事故祭典とか、言っていたけれど、
今年の共通テスト、ほんとに事故祭典かも。

だいたい、古典で「とはずがたり」出すあたりで、仁義なき共通テストと思ったけど。
瀬戸内寂聴が亡くなったころ、本棚片付けたら、瀬戸内晴美訳の「とはずがたり」の文庫が出てきて、でも、息子に読ませたい話でもないかなと思って、勧めなかったんだけども。それがいまさらに微妙に悔しい。まあ、だとしても、そこそこの得点、そこそこの失点だったろう。

私たちの頃とは情報量が全然違う。ネットで、界隈の浪人生現役生の話とか、ここまでの志願倍率がどうとか、息子がいろいろ読んでるのが、なんか、競馬新聞読んでる人みたい。いや、なかなか面白いけど。
今年共通テストの平均が大きく下がったせいで、いろいろ流動していて、見通したたなさがスリリング。大穴はどこだ、とか。
息子、先生からは、あなたは浪人できないのだから、後期は下げなさいと言われたけれど、結局、出したいとこに出していた。特攻するらしい。好きにすればよい。私はもう、話を聞くのも、心配するのも、くたびれた。
受験料の工面とか、そのほかの心配とか、いろいろあるのだ。

事故祭典。コロナの感染拡大とか、東大での刺傷事件とか、トンガの火山噴火とか、問題流出とか、それら一連のことを、この年の1月、息子の共通テストとタグづけて思い出すことになるのかなと思っていたら、お医者さんが猟銃で殺されるという事件まで起きて、ふるえる。

楽しいニュースひとつ置いておこう。
「オシリカジリムシ」と命名 新種の甲殻類 鹿児島の干潟で発見 | NHKニュース
息子が小さいころNHKみんなのうたで流れていた。お尻ふって踊ってた。おしりかじりむしの歌。それで、
 
 北の空におしり座がありそのそばにおしりかじりむし座があるらしい  (かずみ)
という短歌を私も書いたけど。

 おしり座、って言ったんだよね、カシオペアを、きみはね。