『天秤』の電子本

東京はあったかくて、梅が咲いているのに驚いたけど、あったかいから、私はマフラーも傘も帽子も、どこかに置いてきてしまったけど、帰ってみると、こっちもなんかすこし寒さがゆるんできた。春が来るかなあ。

『天秤 わたしたちの空』が電子本になった、という知らせ。すごいなあ。
こちらから注文できます。→http://www.kozui.net/bksinkiro.htm

河津さんのブログでも紹介されていました。http://reliance.blog.eonet.jp/default/2011/02/post-6f62.html

紙の本もまだあります。私の手元にも少し残ってる。

☆☆

昨夜、町内会長のところに行ったっきり、パパは帰ってこない。
飲んでたんだな。電話をかける度、向こうで大笑いが聞こえるのは、パパがおっちゃんたちにからかわれているのである。そいで私が電話をかけるのは、早く帰ってほしいからではなく、パパに電話するよ、と脅さないと、子どもが宿題しないからなのだった。20分おきに電話したわ。

おっちゃんたちの話は、町内のことやら政治のことやら、そんなところだが、酔いのまわった町内会長が、私の歌集『もうひとりの(以下略)』を出してきて、するとおっちゃんたち、それをまわしよみしながら、朗読してたらしい。
本なんかまず読まない、詩と短歌と俳句と川柳の区別もないおっちゃんたちが、朗読して「これ、ええで」と言ってくれたらしい。
かあちゃん、連れてこい、飲ませよう」とか言ってたらしい。

話きいて笑った。笑うしかない。ああもうなんでもええわい。
もしかしたら。『路程記』はとうてい、おっちゃんたちに耐えられないと思うけど、『もうひとりの』は案外、おっちゃんたちにどう扱われても大丈夫なくらいにはタフかもしれない。

で、ここのおっちゃんたちの相手ができたってことは、もしかしたらいつか、私の歌は、うちの田舎の、あの形容しがたい、どうしようもないおっちゃんたちの相手も、できるようになるかもしれない、とちょっと思ったりして。
でも、それが望みか、と言われると相当に微妙だけど。

「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢつと手を見る」

という石川啄木の歌は、憧れです。

突然、脈略もなく、頭のなかを流れ出す。
三上寛の「夢は夜ひらく」
http://www.youtube.com/watch?v=lstQ_PyUOow&feature=related

 7に2を足しゃ9になるが、
 9になりゃまだまだいいほうで
 4に4を足しても苦になって
 夢は夜ひらく

『天秤』に

 7+8=16と答える誤りの、誤りのなかにのみある〈わたし〉

って短歌を書いたけど、子どもの算数のプリント、リアルに7+8=16、とか答えてて、またその誤りに、母は気づかなかったりして。



とにかくそんなことで、『天秤 わたしたちの空』電子本でました。