とんど

昨日はとんどだった。
私行かなかったけど。

あちこちの町内会や子ども会で、とんどしていたらしく、午後、出かけると、あちこちの田んぼから火があがっていた。

とんどが何か、私はほんの最近まで知らなかった。
ここに越してきて、子どもができて、町内会や子ども会にくみこまれてからですね。とんどが何かって、わかったの。

とんどのときにとぶ火の粉が、近所のビニールハウスに穴をあけるのが問題になってる、という町内会の話題をきいたのが数年前、それから、場所もかわって、すこしずつ、規模は縮小されていっている、らしい。

小学校3年生以上は参加しましょう、ということなので、町内会の役員なので否応なく、早朝から準備にいくパパについて、子どももはじめて参加。
で、午前中、竹を用意したり、燃やすものを積み上げたり、準備したらしい。
で、火入れは午後からで、竹の先に、もちをはさんで焼いて、ぜんざいにして食べる、らしい。

子ども、ぜんざい食べられないし、午後は行かない。
ということは、とんど、何にも面白くなかったらしい。
うん、おまつりっていうのは、楽しくないもんだよ。でも、竹を運ぶお手伝いをしたことは、大事な経験だよ。

夕方、スーパーに行くと、近所の一人暮らしのおばあさんがいる。
ああよかった、って見つけて声かけてくる。ここらへん、スーパーは向かい
の山の団地のなかにある。ということは、こっちの団地から山をおりて、また山をのぼっていくんです。歩くと片道20分くらい。この上り下りは、半端なくつらい。なので、車のないお婆さんたちは、買い物にタクシーを利用する。なかなかそれもつらいので、あたりを見回して近所の人を探すのだ。

で、私たちの買い物の間、ちょっと待っててもらって、一緒に帰る。
車のなかでお婆さんのおしゃべり。

年末に弟が死んだんですよ。
というのだが、これが。
東京に弟がいて、奥さんにも子どもにも先立たれて一人暮らしだったのが、孤独死していた。75歳。という話。警察から電話があったのが、12月の終わり、亡くなったのは12月のはじめらしい。
事件性はないから安心してくださいって言われたけど、腰が抜けそうじゃったですよ。孤独死なんて、まあ、かわいそうなことをしたねえ。
もうひとりの弟と甥が関東にいて、葬儀も火葬もしてくれたんですが、都会のほうでは葬儀場と火葬場がくっついているらしいですね、通夜も何もせずに火葬場にもってゆく。合理的というかさびしいというか。
弟ふたり、ふたりとも東京に行って。20年前、20年前に会ったっきりですよ。葬儀で帰ってきたときに。
それで今月末に、死んだ弟の49日の法要をするというので、行こうかしらと思うんだけど、私は東京なんて行ったことがない、どうやって行ったものかしら。新幹線の安い切符はあるかしら。足も悪いのに、不安だけど、その間、犬をどうしようかしら。
おじいさんが死んで明日が命日なんだけど、もう4年になりますよ。お墓も山の向こうにたてたんだけど、寒いし、よう行かん。春になったら行くからねえって、うちで手をあわせてあやまりますよ。

……と、家の前まで帰っても、車から降りないで、お婆さん、話しやまない。おしゃべりをしたかったんですね。しばらく玄関前に車泊めたまま、お話していた。

団地の上までバスを通してほしい、と要望は出しているんだけど、まあ難しそうだね。ようやく下水工事ははじまったけど。

夜、パパは町内会の役員会、と称して飲み会。
前町内会長は庭に掘っ立て小屋立てて、そこに近所の人たち連れ込んでは飲んでいる。あれは政治をしているんだと、いう。いろいろ文句を言いそうなおやじたちを連れ込んで酒飲ませて、味方にする。道路移管も下水道も、お金のかかる案件をすすめようと思ったらたいへんらしい。

子ども会の役員さんは夜までとんどの後始末。朝、子どもが手伝ったのに、パンとジュースがたりなくてあげられなかったからって、一軒ずつ配給にまわっていた。

で、パパもいないので、ばんごはんは、子どもとカップヌードルですましたっと。ふたりでこっそり悪いことしてるみたいで、楽しいのだった。