盆踊り

8月11日。
町内会の盆踊り。
パパは役員なので行っている。子どもも行くというので連れていく。
何が悲しくて、アラレちゃん音頭なんだか。

まず子どもはかき氷食べて、私はビールのんで、やきとり食べて、焼きイカも食べて、子どもがボールすくいとかするというの、無理だからやめとけっていうのに、できるといいはって、できない。おかーさんもできませんから、教えてあげられません。きらいなんです、こういうの。

炭坑節とか、ドドンパ、とかに混じって、不思議な音頭が流れる。
「鈴木主水(すずきもんど)」。
昔の歌、としか司会は言いませんが、心中ものですね。武士と遊女の心中もの。
盆踊りの心中ものの歌詞といって、たちまち思い出すのは、中上健次の小説に出てくる兄妹心中。兄のモンテン妹にほれて♪ 山崎ハコも歌っていたっけ。
「鈴木主水」の聞き取れない歌詞の、年寄りの歌う声聞きながら、ずっとこういうふうに、あれこれの心中話が、歌われて踊られてきたんだろうかなあ、と思っていると、浴衣着て踊っているお婆さんたちの姿が、提灯の明かりに照らされるのが、風情があるというか、不気味というか…。

子ども、近所の知的障害のあるお兄ちゃん(といっても、40歳近いか)とじゃれあっている。このふたりは妙に波長があう。そうこうするうちに、子ども、うちわで飛んでみようとか、だんだんテンションあがっていって、ひとりで踊りはじめた。ちょっと驚きの光景だった。
最後は盆踊りの輪のなかで踊り狂ってた。

最後にくじひいて、ケチャップもらって、あちこちで花火もはじまったが、子ども、音がうるさいと耳をふさいでうずくまる。
子どもの耳の過敏、ほとんど気にならないほどだが、こういうときは思い出すね。