息子と青春18切符の旅 1日め大阪

23日から、息子と青春18切符(5枚つづり11850円)の旅だった。
23日朝5時過ぎにもよりの駅から始発電車に乗って、出発。雨のなかを山陽本線普通列車を乗り継ぎ。大阪まで。私はほとんど寝ていたが、息子は起きて、ホームに泊まる度、窓から見えるあれこれの電車を撮っていたようだ。岡山駅大阪駅では、いろんな種類の電車が見られて楽しかった、らしい。
大阪駅で、荷物をロッカーに入れて、まず、中之島へ。木々があるので、蝉がわんわん鳴いていた。レトロ建築物を見に行く。図書館は住友がつくって寄贈したものらしい。なかを探検。地下に自習室があって、ちょうどいいので、そこで15分間、息子に夏休み帳をさせる。警備のおじさんは岩国出身だって言っていた。

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それから中之島公会堂へ。なかに潜入。階段や窓のレトロぶりが楽しい。ヘレン・ケラーゴルバチョフも来たんだね。この日は大阪府学校給食大会、という会合をやっているようだった。
雨あがる。

それから、通天閣へ。
新世界の通りのけたたましさには度胆を抜かれたようだ。「大阪ってカオスだ」と息子。路地を一つ曲がれば、まったくちがう光景があらわれる、ということは、ふだん経験しないもんね。
通天閣に登ったとたんに写真を撮られて、1100円ですって言われて、買いませんけど、息子の反抗心が目覚めた。ビリケンさんの足の裏にさわると縁起がいいって言う話も、お賽銭をはずんでっていうアナウンスに反発して、触らない。「なんだい、すぐに金、金って」。でも、通天閣の昔の様子をジオラマにして展示してあるのは気に入って熱心に眺めていた。
高いところからは街がジオラマみたいに見えるのが楽しい。そのために高いところにのぼったのだが、もっと高いところが見えた。アベノハルカス。あそこへ行こう。

アベノハルカス。地上60階。よもしれん高さだよ。空も晴れて、すごい眺めだ。息子はそこから天王寺の駅を見おろす場所にしゃがんで、駅を発着する電車を、カメラを望遠にして眺めつづけていた。ようやく立ち上がって、四方を見て回るが、西側の一部、床がシースルーになつていて、下が透けて見えるのが、私はハンパなく怖い。息子がそのあたりをうろうろするのを、思わず「やめてー」と呼び止めたけど、息子はうろうろする。

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中国語、韓国語、タガログ語大阪弁入り乱れて耳に入るという経験も、息子ははじめてかもしれない。
たっぷり1時間そこにいた。

朝、コンビニでおにぎりとパンを買って食べただけで、お昼ごはんのことを忘れていた。すでに夕方。思いついて、鶴橋の商店街に行って、キンパ(のりまき)買う。食べやすいように店のおばさんが一口大に切ってくれて、その場で口のなかに入れてくれたことに、息子が感動していた。よほどお腹すいていたし、おいしかったし。韓国海苔も安かったので買う。
「まるで迷宮だな」と息子。商店街こみいってるもんね。迷宮市場ですこし迷って、脱け出して、梅田へ。

夜、パアララン会議。息子の希望で、ビルの29階。
「なんとかと煙は高いところへ上りたがるって言うけどさ。鳥みたいだよね、高いところばっかり行ってる」と息子が言う。ええ、そうですね。
夜景が見えるところで、お好み焼き。広島の子なのに、関西風のお好み焼きが好き。来てくださった4人のみなさま、ありがとうございました。旅の途中のあわただしさでしたが、お会いできてうれしかったです。息子の相手もしてもらって、恐縮でした。そのあと、場所を変えてケーキとお茶。

麻美ちゃんにつきあってもらって、夜の道頓堀へ。グリコ見る。
くいだおれ人形見る。蟹道楽も見る。ここで息子のカメラのバッテリーがなくなる。電車とジオラマと撮りすぎだよ。

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道頓堀から新今宮へ。ネオンの海から風景はがらりと変わり、駅前では、路上で倒れたらしいおじさんが、ちょうど救急車の担架で運ばれていくところだった。
私がひとりのときは、駅近くの安宿ですけど、息子が、共同風呂じゃなくてバスルームのあるお部屋がいいというので、すこし離れたところ。さらに南へ歩く。
「大阪は、なんかもう、カオスだよ。混沌。格差もすごいよ」と息子。まあ、1日でいろんなもの見たねえ。
ふと、道の向こうに「飛田新地」のネオンが目に入る。ここなのか。「商店街があるの?」と息子。なんといえばいいか。私もはじめて来る場所だけど、これは、夜中に小学生を連れて歩いていい場所じゃないなあ。
夜11時過ぎ、ビジネスホテルにたどりつくと、足の悪いおじいさんがゆっくり出てきて迎えてくれる。翌朝のモーニングコールのお願いをすると、目覚まし時計貸してくれる。お部屋にはお布団敷いてある。息子、シャワーを浴びて倒れ込んで眠る。
1日め無事終わる。